今回のレビューは、ミュージカル「モダン・ミリー」です。
2年ぶりの再演を果たした本作。
ポップで元気の出る王道ミュージカルで、歌の素晴らしさはもちろんのこと、芸達者な方々の振り切った芝居を堪能させてもらいました。
田舎からモダンガールになることを夢見てニューヨークに上京してきたミリーが、様々な人との出会いをきっかけに夢を掴むストーリーです。
分かりやすい悪役がいて、見るからにお金持ちの友人がいて、アホキャラもいて、とにかく全キャラが目立っている！出てくるキャラクターすべてがクセアリで、全員主人公なんじゃないかってくらいの目立ちよう。ラーメンの全部乗せ。
久しぶりにここまで明るいミュージカル作品を観ることができて、”この底抜けの明るさはミュージカルの醍醐味だよなぁ”と思いながら観劇していました。
主人公のミリーを演じるのは朝夏まなとさん。
昨年観劇したミュージカル「SPY FAMILY」にも出演されていましたが、その際演じていたキレッキレの女性管理官とはまた異なる、可愛らしくて時折抜けている田舎娘を演じ、愛嬌抜群。
本作で観客の心をかっさらっていったのは、ミリーの働く会社の社長・グレイドンを演じた廣瀬友祐さん。
2022年公演の際、本作で読売演劇大賞の優秀男優賞を受賞されているので、どんなお芝居をされるんだろう～と今回の観劇を楽しみにしていたのですが、あまりにも想像以上。廣瀬さんの芝居魂に圧倒されっぱなし笑いっぱなしで、こりゃ優秀男優賞取りますね、と。
廣瀬さんが超絶3枚目を演じてしまえば、現時点で右に出る者はいないんじゃないかと。
すべての発言・動きに観客が魅了され、グレイドンがメインではないシーンでも観客が目で追い笑ってしまうくらいには、全観客の心を鷲掴みにしていました。
廣瀬さんは個人的にも大好きな役者さんで、冷徹なキャラクターから今回のような3枚目まで幅広く演じられる役者さんです。
そんななかでも本作のグレイドンは素晴らしかった！
ミリーと恋仲になるジミーを演じる田代万里生さんや、あまりにもお嬢さまなミリーの親友・ドロシーを演じる夢咲ねねさんも大クセキャラすぎて、ただただ楽しい！
最近は重ためのミュージカルが続いていたので、久々にここまで笑い声に包まれたミュージカルを観劇したような気がします。
【公演情報】
ミュージカル『モダン・ミリー』
演出・翻訳：小林 香
出演：朝夏まなと、田代万里生、廣瀬友祐、夢咲ねね、大山真志、土居裕子、一路真輝、入絵加奈子、安倍康律
砂塚健斗、高木裕和、常住富大、堀江慎也、村上貴亮、伊藤かの子、島田彩、橋本由希子、湊陽奈、吉田萌美、玲実くれあ
日程
東京公演：2024年7月10日（水）～7月28日（日） シアタークリエ
大阪公演：2024年8月3日（土）～8月4日（日） 大阪 新歌舞伎座
愛知公演：2024年８月11日（日・祝） Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
福岡公演：2024年８月16日（金）～8月18日（日） 博多座
東京公演：2024年8月24日（土）～8月25日（日） 昭和女子大学 人見記念講堂
観劇日：2024年7月18日（木）18：00公演
