第38回目のレビューは、小劇団 無=魂 第14回公演「ONION ~いのちあるところ~」です。
今回よりスタートした新シリーズ、「羽ばたけ小劇団」の第1回となる本作品ですが、かなりエネルギッシュで展開の読めない、驚きの連続な作品でした。
主人公はレストランを経営している社長で、お客さんの笑顔のため、赤字覚悟のメニューをどんどん企画する。
レストランは繁盛する一方、次第に利益が出なくなってきていた。店長やシェフが店の状況を説明しても、赤字となるメニューを出すことを止めない。
そのような状況が続き、消費者金融からお金を借りてしまい、銀行からの追加融資も受けられなくなってしまった。
そんな切迫した状況の中、レストランに大型の予約が入った。借金を返せる目途も立って従業員も手を取り喜ぶ。
しかし、喜んだのも束の間、店長は事故にあってしまう。
目を開けると、そこは不思議な空間で・・・。
という全く展開の読めないストーリーにも関わらず、1時間40分という時間にギュっとまとめ上げたのは驚きでした。
タイトルに”SHOW劇”とある通り、SHOWの要素が多く含まれた演劇作品でした。
オープニングから演者がダンス!そしてエンディングもダンス!
ハッピーエンドからの出演者全員でのダンスシーンは、観劇している側もハッピーになってしまうという、ダンスの持つパワーを感じました。
本作は、誰にでもあるような人生の分岐点を描き、いくつもの選択肢を提示しつつ、その時最善だと思った方向へ進んだ主人公の、生き様を描いた作品だと感じました。
この劇団の主宰であり、主人公の社長を演じられていたTERUさん。
声がとても渋くて素敵でした。
その他、最近スバルのCMにもご出演されている島村みやこさん、
日テレ「ウチのガヤがすみません!」にガヤ芸人として出演中のKいちさん、
昨年の紅白歌合戦にも出演された、香川真司のものまね芸人として活躍中のアモーレ橋本さん、メディアにも出ている俳優さんたちもご出演されており、また、ダンサーとして活動されている方もいたりと、幅広いジャンルの俳優さんがご出演されておりました。
【公演情報】
SHOW劇 無=魂 第14回公演「ONION ~いのちあるところ~」
劇団:SHOW劇 無=魂
出演者:TERU、菊川仁史、Kいち、蝶羽、杏蘭、中島大和、古賀司照、松田かほり、ふじきイェイ!イェイ!、アモーレ橋本、島村みやこ、MASAKI、さわちん
日程:2019年3月27日(水)~3月31日(日)
会場:ザムザ阿佐ヶ谷(THEATRE “SAMUSA”)
観劇日:2019年3月27日(水)19:00公演