『書きます!#観劇レビュー』

鑑賞した舞台のレビューをただただ書き残していきます!

ミュージカル『キンキーブーツ』を観劇した感想(ネタバレあり)

第41回目のレビューは、渋谷 東急シアターオーブにて上演中の「キンキーブーツ」です!

 

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三浦春馬さん・小池徹平さんのダブル主演の本作は、廃業寸前の靴屋の跡取りとドラァグクイーンの出会いから、靴工場の経営を立て直す、サクセスストーリーのミュージカルです。

 

本作は、2016年に初演が行われ、チケットは全日即完。連日スタンディングオベーションの大盛況となった作品です!多くの観客に愛されたこの「キンキーブーツ」が今年帰ってくるとあって、情報解禁直後から、非常に注目されておりました。

 

 

キャストは2016年の初演から引き続き続投し、靴屋の跡取り息子であるチャーリーを小池徹平さん、ドラァグクイーンのローラを三浦春馬さんが演じております。

 

また、主演の二人を囲むキャストである、チャーリーの婚約者を玉置成美さん、チャーリーに恋する従業員のローレンをソニンさん、その他、勝矢さん、ひのあらたさんら初演のキャストも全員再集結し、キンキーブーツの世界へ戻ってきました!

 

 

 

チャーリーとローラが帰ってきた!

 

 

小池徹平・三浦春馬という2人のキャストでしかチャーリーとローラを演じることができないと感じる程のキャラクターの完成度であり、初演時よりも更にパワーアップして帰ってきてくれた!という喜びで、胸がいっぱいになりました。

 

 

本作は管理者自身思い入れが強い作品で、本サイトの第1回レビューが2016年のキンキーブーツなのです。

 

 

それから3年、相変わらず演劇鑑賞が趣味の私が、改めてキンキーブーツの感想を書くことができると思うと、嬉しさも一入です。

 

 

本作の魅力の一つが、個性あるキャラクター達。

 

靴屋の跡取りとして、廃業寸前の靴屋の経営を任されることになったチャーリーを小池徹平さん。

そして、そんなチャーリーと運命的な出会いをするドラァグクイーンのローラを三浦春馬さんが演じております。

 

三浦春馬さんのローラが本当にパワフルで煌びやかで美しい!

 

観客は全員ローラの虜です。

 

10センチのピンヒール・真っ赤なドレスを身に付けたローラは、自信を全身にまとって踊り歌います。その姿は女性よりも女性であり、伸び伸びと自己を表現している。

 

そんなローラに憧れ、観客は心を奪われる。

 

しかし、ローラはドラァグクイーンとして生きる自分に悩んでいたのです。

 

社会から求められる自分と本当の自分。その違いに悩み、生きることに苦しんでいる。しかし、自分の気持ちを貫き通してありのままの自分を受け入れ、未来への希望を見つけ出す。

そんなローラの姿は、"自分の進む道"に悩むチャーリーの背中を押すだけでなく、私たち観客にも勇気をくれるのです。

 

ローラはほとんど煌びやかな衣装で登場しますが、男性の格好のシーンもあり、

同じキャラクターでも、衣装やシーンによってローラの抱えている感情が異なるため、大胆さのなかにも繊細な表現が必要で、春馬さんは丁寧に演じられていました。

 

パワフルだけど繊細なローラは三浦春馬さんしか演じることができない、そう感じました。キンキーブーツを観てしまったら、彼の持つ才能と魅力に落ちてしまうのではないでしょうか。

 

 

そんなローラと出会うのが、靴屋の跡取り息子チャーリー。

 

父の死をきっかけに靴屋の跡を継ぐことになるのですが、会社は倒産寸前であることを知り、再建に尽力することとなります。

 

その途中で出会ったのがドラァグクイーンのローラ。

 

男性の体重を支えることができるブーツが無いことをローラから知り、チャーリーはドラァグクイーン用のブーツを作ることを閃くのです。

 

チャーリーは他のキャラクターに引っ掻き回される、非常に忙しいキャラクターです。

婚約者、靴工場の従業員たち、そしてローラ。彼らの要求や不満を浴びせられ、チャーリー自身、右へ左へ奔走することになるのです。

 

全体的に小池徹平さんは受け身の演技をしなければならず、非常に難しい役どころだったと思います。それぞれのキャラクターの感情を汲み取り、それに対してチャーリーは行動を起こす。

 

ローラが注目されがちな本作ですが、本当の軸、主役はチャーリーなのではないでしょうか。

 

小柄な小池徹平さんですが、彼の放つ歌声には強くて太い一本の芯が通っていました。

 

チャーリーは自身の生き方に迷うキャラクターですが、小池徹平さん自身は座長としての自信に満ち溢れ、ステージに立っているように見えました。

 

 

 

キャラクターを更に魅力的にする楽曲の数々

 

 

ミュージカルであるキンキーブーツは数多くの楽曲が登場します。

 

キャラクターの感情は楽曲に乗せて観客に届けられ、その魅力的な楽曲の数々はキンキーブーツという作品を語るうえでは外せません。

 

チャーリー、ローラ、そして、ソニン演じるローレン達が秘めた思いを歌うシーンの数々は、生き生きとステージ上に存在しているキャラクター達をさらに輝かせていました。

 

 

最強ミュージカル「キンキーブーツ」 

 

 

本サイト開設から3年、多くの作品を観劇しましたが、やっぱり作品から貰うパワーが大きいのはこの「キンキーブーツ」だと思いました!

 

観劇後、こんなにハッピーになり、スカっとした気持ちになり、心の底から楽しかった!と思える作品はキンキーブーツが一番です。

 

連日スタンディングオベーションが続き、会場が一体となって作品を楽しむ。

こんなに会場全体が幸福感に包まれる作品はそうないと思います。

 

ミュージカルの持つパワーを全身で感じられる作品です。

 

チケットは全日即完ですが、当日券の販売があります。

皆様にぜひ観ていただきたい!と心の底から思う作品です。ぜひキンキーブーツの世界を味わってみてください!

 

 

【公演情報】

 

 

ブロードウェイミュージカル「キンキーブーツ」

 

脚本:ハーヴェイ・ファイアスタイン
音楽・作詞:シンディ・ローパー
演出・振付:ジェリー・ミッチェル
日本版演出協力・上演台本:岸谷五朗
訳詞:森雪乃丞

 

出演者:小池徹平、三浦春馬、ソニン、玉置成実、勝矢、ひのあらた、飯野めぐみ、白木美貴子、施鐘泰(JONTE)、穴沢裕介、森雄基、風間由次郎、森川次朗、遠山裕介、浅川文也、佐久間雄生、藤浦功一、佐々木誠、高原紳輔、中村百花、丹羽麻由美、舩山智香子、清水隆伍、加藤潤一、岩間甲樹、山口祐輝、若林大空、犾守大空翔、高畑遼大、阿部カノン

 

 

東京公演:2019年4月16日(火)~5月12日(日) 東急シアターオーブ

大阪公演:2019年5月19日(日)~5月28日(火) オリックス劇場

 

 

観劇日:2019年5月5日(日)13:00公演