『書きます!#観劇レビュー』

鑑賞した舞台のレビューをただただ書き残していきます!

舞台『七転抜刀!戸塚宿』を観劇した感想(ネタバレあり)

第56回目のレビューは、明石家さんまさん主演『七転抜刀!戸塚宿』です。

 

 

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お笑い怪獣明石家さんまさんが5年ぶりに舞台で主演をされるということで、情報解禁後から非常に楽しみにしておりました!

 

終始会場が笑いに包まれ、最後にはホロっとさせられる、とても素敵な作品でした。

  

脱線しまくりさんまさんワールド

 

 

さんまさんに生で会いたい!というのが長年の夢のひとつでした。

本作のチケットを取ったとき、「やっとさんまさんに会える!」の気持ちでいっぱいで、当日は浮足立ちながら会場に向かいました。

 

本作でさんまさんは仇討で追われる武士、そしてその武士に恨みを持ち、仇討をしようとたくらむ武士を演じるのは中尾明慶さんです。

 

とにかく脱線しまくりでなかなか話が進まない!!!こんなに話の進まない舞台は初めてでしたが、さんまさんの誰にも止められない暴走っぷりが面白すぎて、会場が常に笑いに包まれているというとてつもないパワー溢れる作品でした。

 

 

どこまでがセリフでどこまでがアドリブかが分からず、舞台上の役者さん方も吹き出してしまうシーンが何度もあったり、さんまさんが共演者のみなさんにアドリブを仕掛けたりなど、そんな無茶ぶりに柔軟に対応していく役者の皆さんを尊敬しつつ、長台詞や殺陣などをしっかりとこなすさんまさんの姿が純粋にかっこよかったです。

 

 

一方で、仇討ちにつながる過去やシリアスなシーン、本作のストーリーに重みを出す部分で中尾さんの存在が非常に重要でした。

コミカルでありつつ、とある事件で殺された自身の父親も演じるという二役を演じ分けており、物語の後半、鍵となるシーンでの気迫あふれる演技に圧倒されました。

 

また、照明や音響を使った演出が非常に面白く、もはやご法度でしょ!と笑わざるを得ない手法でストーリーがさらに脱線。

 

ここまでしても本作がコントや新喜劇ぽくならないのは、佐藤仁美さんや温水洋一さんなど実力派かつコメディーにも対応できる役者が共演しているからなのだと思いました。

 

 

物語の最後、さんまさん演じる武士がこんなことを言います。

 

「明日はきっと面白くなる。そう思わないとやってられねぇだろ。」

 

諦めともとれるし、希望ともとれるこのセリフ。

そんなセリフをさんまさんに言わせる凄さ。

 

 

今の自分と重ね合わせて自然と涙が出てきたのと同時に、さんまさんからこんな言葉が聞けたという凄さで体中が痺れる、そんな感覚になりました。

 

東京公演は終わってしまいましたが、大阪公演が始まります。

さんまさんの地元大阪ですから、アドリブがさらに暴走すること間違いなしです。

 

お笑い怪獣のパワーに圧倒された、最高に幸せな3時間でした。

(上演時間2時間45分のところ、アドリブ部分が伸びて3時間に・・・笑)

 

【公演情報】

 

 

「七転抜刀!戸塚宿」

 

脚本:福原充則

演出:水田伸生

 

出演者:明石家さんま中尾明慶、山西 惇、温水洋一、八十田勇一、犬飼貴丈、吉村卓也、加瀬澤拓未、粂川鴻太、佐藤来夏、佐藤仁美

 

日時:

東京公演:2020年1月10日(金)~1月31日(金) 

大阪公演:2020年2月20日(木)~2月26日(水)

 

 

観劇日:2020年1月28日(火)19:00公演