第67回目のレビューは、大人計画「3年B組皆川先生~2.5時幻目~」です。
数年に一度、皆川さんと荒川さんをメインとした作品を上演する大人計画ですが、今回も期待を裏切らないハチャメチャコメディーを見せてくれました!
絶対に面白いことが約束されている作品
皆川猿時さん演じる皆川(役名)が多額の借金を返すため引き受けた仕事が、荒川良々さん演じる荒川(役名)をはじめ、問題児ばかりいる3年B組の担任!
「誰一人退学することなく全員卒業させたら借金すべて支払う!」という教頭の言葉を信じ、皆川は問題児に振り回されながらも、生徒たちとともに学校生活を奔走するという物語。
ぶっ飛んでます。ぜんぶぶっ飛んでて最初から最後まで笑わずにはいられません。
「これこれ!これが見たかったんだよ!」が詰まっている最高に大好きな作品でした。
年齢とか関係なく、制服を着て学校のシチュエーションなんだから誰が何と言おうと全員高校生を演じているんです。「この人たち、全力でバカやってるなぁ」がカッコよくて愛しくて、なんならこの作品を観に来てるお客さんさえも愛しく思えてきて、全員「起立!」で立たされて全員で礼をする、その一体感にほっこりしました。
2.5次元ミュージカル・・・??
タイトルにもあるように(タイトルは"2.5時幻"ですが)、作中で2.5次元ミュージカルが繰り広げられます。
2.5次元ミュージカルとは、漫画やアニメを舞台・ミュージカル化したもので、いかに二次元の映像を3次元で表現するかが鍵となるジャンルです。
私もいくつか観劇したことがありますが、プロジェクションマッピングや音響効果を多用し、2次元の世界観を作り上げていきます。
今回はその2.5次元ミュージカルの大パロディーを全力でやる!といった感じで、随所にプロジェクションマッピングやミュージカル要素が盛り込まれていて、テンポ良くストーリーが進んでいくのでワクワクが止まりませんでした。
最近は、個人的にコメディー作品を好んで観劇する傾向にあるのですが、この、皆川さん・荒川さん主演の作品は間違いなく面白いことが約束されているので、作品情報が公開されたときから、"絶対に観に行く"と強い決意を胸にしていました。
観劇する上で何も考えなくていいですし、ただひたすらに面白いだけ。
前にも書きましたが、コロナ禍という特殊な状況だからこそ、演劇から元気とパワーが欲しくて私は劇場に足を運んでいるんだな、と感じます。
お客さんも積極的には声を出せないなかですが、笑い声が会場中に響きわたったり、全員起立させられたり、探し物探させたり(笑)という参加型のこの作品に触れて、久しぶりにコロナ前の演劇鑑賞を思い出させてくれました。
【公演情報】
3年B組皆川先生~2.5時幻目~
作・演出:細川 徹
出演:皆川猿時、荒川良々、池津祥子、杉村蝉乃介、近藤公園、上川周作、清宮レイ(乃木坂46)、早出明弘、本田ひでゆき
公演日:2021年6月17日(木)~7月4日(日) 本多劇場
観劇日:2021年6月19日(土)18:00公演