『書きます!#観劇レビュー』

鑑賞した舞台のレビューをただただ書き残していきます!

ブロードウェイミュージカル『ニュージーズ』を観劇した感想(ネタバレあり)

第73回目のレビューは、ブロードウェイミュージカル「ニュージーズ」です。

 

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2020年公演が新型コロナウイルスの影響で中止となったものの2021年の今年上演が決定し、ようやく待望の日本初上演となりました。

 

本作は1992年公開の映画「ニュージーズ」を基に製作されたディスニーミュージカルで、数々の大ヒットディズニー楽曲を作曲しているレジェンド、アラン・メンケンが本作の作曲をつとめています。

 

ディズニーファンとしては、随所にディズニーらしさは散りばめられたストーリーや展開、ミュージカル楽曲の数々に興奮しっぱなしの2時間半。スキップしながら家に帰ることになりました。

 

 

エネルギッシュなステージ

 

新聞販売で日銭を稼ぎ暮らしている少年ジャック(京本大我)と仲間たちは、突然知らされた不当な新聞卸値の値上げに腹を立て、仲間とともに一致団結しストライキの決行を決意する、というシーンから始まります。

 

数十人の少年たちのダンスと歌から伝わる、新聞販売の少年たちの溢れるエネルギーや若さがキラキラと眩しくて、自分の青春と重ね合わせてしまうほど。

 

幕が上がってまだそこまで時間が経っていないにも関わらず、後先考えず大きな敵に立ち向かう彼らに勇気づけられ、また、毎日必死で生きている彼らを心の底から応援していました。

 

ストーリー自体かなりボリュームがあるため場面転換も多いのですが、転換さえシーンの一つに組み込んで、止まることなくステージ上で魅せていく凄さ。

シーンの一つ一つがとにかくパワフルで、キャラクターたちの熱量に圧倒されます。

 

 

主人公のジャックを演じているのはSixTONESの京本大我さん。

 

過去にもミュージカルを経験されておりますし、とにかく歌がうまい。

ミュージカルにぴったりの歌声です。言葉も聞き取りやすく、心情がスッと胸の中に入ってきました。アラジンのような、少しお調子者で悪さもして怒られるけど、優しくて皆から愛されるという、ディズニーらしい主人公を快活に演じられていました。

 

ディズニーらしいシーンの数々

 

ディスニー作品のどこかで一度は観たことあるような“ディスニーらしさ”全開のシーンが楽曲とともに披露され、わくわくが止まりません!

 

新聞販売少年たち、通称ニュージーズたちの溜まり場になっている居酒屋でのシーンは、美女と野獣やラプンツェルで観たことあるような。

ジャックと恋仲になっていく女性記者キャサリンとのデュエットシーンは、アラジンを彷彿とさせ、さらにアラン・メンケン作曲の楽曲がディスニーの世界一色に染め上げていきます。

 

ミュージカルとしてのディスニー作品を観たことがなかったので、かなり新鮮な感覚になったと同時に衝撃を受けました。

 

 

キャラクターたちの心情を描くソロパート

 

主人公ジャック、キャサリン、そしてジャックの親友であるクラッチーなど、中心キャラクターにはそれぞれソロパートがあり、彼らの心情がメロディーに乗せて歌い上げられるシーンはどれも圧巻でした。

 

キャサリン役を演じたのは咲妃みゆさん。宝塚出身であることを後で知り、歌とダンスの上手さに納得したのですが、とにかくソロパートの歌唱が素晴らしかったです。強い女性としての覚悟と天真爛漫さを混ぜてセリフとして歌い上げる技量の高さに、魅了されてしまいました。誰がどう見てもTHEヒロイン!というキャラクター。

可愛らしくて大好きなキャラクターです。

 

ジャックの親友クラッチーを演じたのは松岡広大さん。片足が不自由という難しい役柄ですが松葉杖を持ちながらのダンスに違和感がなく、また愛嬌のあるキャラクターのなかにも闇を感じるシーンがあり、特にソロパートのシーンは印象的でした。負けてしまったという悔しさや、圧力には決して屈しないという揺れ動く気持ちを表現して歌い上げとても器用な役者さんだなぁと思いました。

 

そのほか、ジャック達とともにストライキを計画する少年デイヴィを加藤清史郎さん。演技力はもちろんですが、こんなに歌が上手いとは思いませんでした。今後ミュージカルに引っ張りだこなのは間違いないです。赤い髪のキャラクターなのですが、赤のヘアカラーがまたおしゃれ!似合ってました!

 

ニュージーズの最大の敵である、卸値の値上げを敢行した出版社のトップ、ピュリツァーを演じたのは松平健さん。

立場としてはジャック達の敵という感じなのですが、憎みたくとも憎めない松平さん自身の愛らしさが滲み出ていて、悪いけど愛らしい、そんな存在感のあるキャラクターでした。

 

 

この興奮は劇場に行かないと味わえませんし、最初から最後まで目の前のステージに心奪われる感覚は最高に楽しいです。

青春×ミュージカルがとにかく最高!この事実は不変!

そして、ブロードウェイミュージカルは間違いなく面白いことを再認識し、コロナが収束したら本場ブロードウェイでミュージカルを観てやるんだ!という気持ちに火が付きました。

 

 

【公演情報】

 

ブロードウェイミュージカル『ニュージーズ』

 

作曲:アラン・メンケン

作詞:ジャック・フェルドマン

脚本:ハーヴェイ・ファイアスタイン

演出・日本語訳・訳詞:小池修一郎

 

出演:京本大我(SixTONES) / 咲妃みゆ、松岡広大、加藤清史郎 / 霧矢大夢、松平健 / 増澤ノゾム、桜一花、石川新太、松澤重雄 / 平野亙、瀬野和紀、田村雄一、鮫島拓馬、栗山絵美、遠山さやか、新井智貴、大井新生、鯨井未呼斗、酒井航、清水錬、白石拓也、扇国遼、高橋慈生、田中隆雅、中桐聖弥、新原泰佑、畑中竜也、廣瀬喜一、廣瀬孝輔、廣田佳樹、本田大河、松平和希、吉田倭大、米澤賢人、脇卓史、渡辺崇人 / 生出真太郎、西田理人、ポピエルマレック健太朗

 

東京公演:2021年10月9日(土)~30日(土) 日生劇場

大阪公演:2021年11月11日(木)~17日(水) 梅田芸術劇場 メインホール

 

観劇日:2021年10月26日(火)18:00公演