『書きます!#観劇レビュー』

鑑賞した舞台のレビューをただただ書き残していきます!

宝塚雪組『夢介千両みやげ』を観劇した感想(ネタバレあり)

第84回目のレビューは、宝塚雪組「夢介千両みやげ」です。


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宝塚作品ではお芝居部分のみの感想を書きたいと思っておりますので、今作は2本もの(1部お芝居・2部ショー)のため、1部の「夢介千両みやげ」の感想のみを書き連ねたいと思います。

2部「Sensational!」もとてつもなく良かったです。ダンスはもちろんのこと、衣装がシックかつ派手さがあって、個人的には1発目の原色カラーが目を引く黒いスーツの衣装が好きでした・・・!

 

 

あらすじ

 

「夢介千両みやげ」は、ケンカは強いが嫌い、とにかくお人よしな青年・夢介の活躍を描く、時代劇エンターテインメントです。

 

小田原の農家息子、夢介は親から貰った千両を持って江戸へ道楽修行に出かけることに。(道楽修行の意味が分からず調べたのですが、「道楽」とは本職以外の趣味や娯楽にふけること、だそう。娯楽の境地を見つけてこい、ということ???よく分からんですね)

 

道中、夢介はオランダお銀と呼ばれる女スリに一目ぼれされ、押しかけ女房となり江戸で同棲生活を始める。

さらに江戸で様々な騒動に巻き込まれるのだが、夢介は暴力では何も解決できないと、金と優しさで数々の騒動を収めていく。

という、とにかく明るくハッピーな時代劇作品でした!!!

 

夢介の粋な千両の使い方

 

千両の使い方がとにかく大胆で、驚きます。

お人よしがゆえに様々な問題に巻き込まれてしまうのですが、たとえ理不尽に殴られたとしても手を出さず、人情とお金で解決していくのです。

その姿に感銘を受け、夢介のまわりには夢介を慕う人たちがどんどん増えていく。

とても素敵な関係性が生まれていく様子がとても微笑ましく、心が温かくなります。

 

主人公の夢介を演じるのがトップスターの彩風咲奈さん。トップとなって2作目ということで、1作目の「CITY HUNTER」の際は冴羽獠を演じておりましたが、同一人物とは思えないほどの、人情あふれるかっこいいキャラクターを演じておりました。

 

かなり訛っていて田舎から出てきた感が強いのですが、なにせあの圧倒的ビジュアルなので、かっこよく見えてしまう・・・と思いきや、カッコよさもありつつ訛りのきつさがちょっと抜けている印象を与えてくれ、ポンコツ感もあってとても可愛らしいキャラクターでした。

 

 

夢介を振り回す個性的なキャラクターたち

 

夢介の妻、オランダお銀を演じるのが朝月希和さん。前作の「CITY HUNTER」を観劇した時も感じたのですが、可愛らしく愛嬌たっぷりで、負けん気の強いキャラクターがとても似合う方だなと思いました。

今作のお銀はスリを生業としていたことから負けん気が強くて、夢介を振り回していました。

 

朝美絢さん演じるのは、飛脚問屋の跡取り息子である総太郎。芸者遊びなどに明け暮れて、日々ふらふらと遊び呆けているようなキャラクター。

自称モテ男なので、「モテちゃって大変だよ~」なんて言う朝美さんが最高でした(笑)

圧倒的ビジュアルからモテちゃって発言が飛び出すもんだから、観ているこちらは「・・・ですよね~」としか思えない圧倒的説得力ビジュアル。

遊び人なので基本テキトーなことばっかり言って、夢介を何度も騒動に巻き込みますが、なぜか憎めない愛らしさがあって、朝美さんの魅力大爆発でした。演じていて楽しいだろうな~と思うくらいアドリブも随所に入れていて笑わせてもらいました!

 

そして、今作から雪組に組替えとなった和希そらさん。17歳の少年、三太を演じられておりました。そらさんはもともと少年ぽさがあるな~と思っていたのでとてもぴったり!

お銀とは家族のような仲で、スリをしてその日暮らしをしており、さらに、親がおらず幼い妹弟を養っている苦労人。人の話を聞いていないようで聞いている、聞いているようで聞いていない、といった子供っぽさが仕草や喋り方から伝わってきて、細かい表情変化がとても上手だと思いました。

セリフのないシーンであっても落ち着きがなく、体を揺らしたり足をぶらぶらさせたりといった受けのお芝居も素晴らしくて、少年ぽさを追求した役作りをされているなぁと感じました。

 

(ちなみに、そらさん、ソロ写真集を発売されまして、全ページビジュアル大爆発でとんでもなかったです。最高オブ最高でした。)

 

 

やっぱりポップで観やすい作品は心を軽くさせてくれるパワーがあって、観劇後にはスキップしたくなりますね!ハッピー全開で元気をくれる素晴らしい作品でした!

 

【公演情報】

 

大江戸スクランブル『夢介千両みやげ』

 

脚本・演出:石田 昌也

 

出演者:奏乃 はると、千風 カレン、透真 かずき、真那 春人、彩風 咲奈、久城 あす、杏野 このみ、朝美 絢、愛 すみれ、桜路 薫、天月 翼、白峰 ゆり、和希 そら、朝月 希和、妃華 ゆきの、沙羅 アンナ、叶 ゆうり、綾 凰華、諏訪 さき、野々花 ひまり、希良々 うみ、羽織 夕夏、眞ノ宮 るい、星加 梨杏、縣 千、日和 春磨、琴羽 りり、麻斗 海伶、一禾 あお、有栖 妃華、真友月 れあ、涼花 美雨、稀羽 りんと、花束 ゆめ、聖海 由侑、壮海 はるま、夢白 あや、愛羽 あやね、莉奈 くるみ、紗蘭 令愛、天咲 礼愛、千早 真央、愛陽 みち、蒼波 黎也、絢斗 しおん、麻花 すわん、菜乃葉 みと、風雅 奏、和奏 樹、音彩 唯、琴峰 紗あら、愛空 みなみ、紀城 ゆりや、海咲 圭、希翠 那音、美影 くらら、月瀬 陽、華世 京、霧乃 あさと、華純 沙那、天音 ことは、藤影 ゆら、彩名 美希、白綺 華、瑞季 せれな、風立 にき、絢月 晴斗、瞳月 りく、乙瀬 千晴、小乃美 ゆき/汝鳥 伶

 

兵庫公演:2022年3月19日(土)~4月18日(月) 宝塚大劇場

東京公演:2022年5月7日(土)~6月12日(日) 東京宝塚劇場

 

観劇日:2022年5月28日(土)11:00公演