『書きます!#観劇レビュー』

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宝塚花組ミュージカル「うたかたの恋」を観劇した感想(ネタバレあり)

今回のレビューは、宝塚花組ミュージカル「うたかたの恋」です。


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宝塚歌劇で何度も再演されている本作は、30年ぶりの再演ということで、花組だからこそ表現できる、優雅で究極の愛を堪能できました。

 

儚くも美しい2人の愛

 

柚香光さん演じるのは、ハンガリー帝国の皇太子であるルドルフ。次期国王候補として行動が制限され、日々肩身の狭い思いをしています。

 

ルドルフと強烈な恋に落ちるのが、星風まどかさん演じる令嬢マリー。

以前ルドルフの姿を初めて見た時から憧れを抱いて片思い。ある日、劇場で再会したことから禁断の恋に落ちます。

 

本作の幕が上がると、真っ赤な絨毯の大階段が広がり、ルドルフとマリーが大階段でデュエットダンスを踊ります。白い衣装が真っ赤な絨毯に映え、まるでショ―のよう。芝居の冒頭であることを忘れてしまうくらいの美しいダンスです。

 

芝居開始から10分ほどはデュエットダンスや豪華絢爛な舞踏会のシーンが繰り広げられ、セリフのないダンスシーンが続きます。

 

水美舞斗さん演じるのはルドルフのいことであり親友のジャン。本作のストーリーテラーとしての役割もあり、舞踏会のシーンでもルドルフとマリーの心情を観客に伝える重要な役回りです。

舞踏会のシーンは伏線となっており、物語の後半でも登場するのですが、後半では前半とは全く異なる意味を含んだシーンとなっており、観客が心打たれる美しくも悲しいシーンとなっています。

 

2人の恋の行方

 

ルドルフは自由な恋愛も父親から禁じられており、マリーとの恋愛ももちろん許されませんでした。

彼女との愛を貫くと父親に宣言したとき、彼女を修道院送りにする(マリーはほぼ監禁状態となってしまう)と言われてしまいます。そこでルドルフは「彼女と心中する」という大きな決断をするのでした。

 

 

ルドルフを演じる柚香さんの姿は貴賓高さを感じ、美しい王子そのもの。

衣装も煌びやかな軍服を着こなし、また、初演時の衣装とほぼ一緒なのがまた良いですよね。衣装やストーリー自体にも若干レトロ味を感じますし、古き良き王道の宝塚を感じることができるかと思います。

 

星風まどかさんは、幼さを感じる可愛らしい高い声でマリーを演じられており、声色までキャラクターに合わせて演じられているのだと驚きました。「元禄バロックロック」では意志の強い女性を演じていて、はきはきと喋っていたので、まるで別人のようだなぁと。

 

禁断の愛を貫き、一緒に旅立とうとする2人。

個人的には、共に心中するまで2人が愛し合っていたとは、、、って感じでした。「え、そんなに好きだったん?」と思いまして。

それほどまでに再会した日から強烈に惹かれあったのだなと解釈しましたが、ストーリーにもう少し惹かれあう要素を入れてほしかったなと。

 

2人が幸せなシーンがそこまで多くなく、最後はベッドの上でマリーを抱きしめて愛を誓いあうルドルフ。

死を覚悟しているシーンなのでとても悲しいのですが、観客の気持ちとは対照的に、一緒にいれることがとても幸せそうな2人。

少し笑顔で眠っているマリーに向かって銃を向けるルドルフ。引き金に手をかける柚香さんの苦しそうで泣きそうな表情に胸が苦しくなり、非常に記憶に残る印象的なシーンでした。

 

 

 

【公演情報】

 

宝塚花組ミュージカルロマンス「うたかたの恋」

 

原作:クロード・アネ

脚本:柴田 侑宏 

 

出演:

美風 舞良、航琉 ひびき、舞月 なぎさ、和海 しょう、華雅 りりか、羽立 光来、水美 舞斗、柚香 光、永久輝 せあ、春妃 うらら、紅羽 真希、峰果 とわ、帆純 まひろ、凛乃 しづか、高峰 潤、春矢 祐璃、星風 まどか、糸月 雪羽、聖乃 あすか、泉 まいら、一之瀬 航季、和 礼彩、咲乃 深音、愛乃 一真、龍季 澪、翼 杏寿、涼香 希南、侑輝 大弥、太凰 旬、鈴美梛 なつ紀、三空 凜花、南音 あきら、朝葉 ことの、涼葉 まれ、希波 らいと、詩希 すみれ、海叶 あさひ、二葉 ゆゆ、琴美 くらら、颯美 汐紗、天城 れいん、都姫 ここ、珀斗 星来、愛蘭 みこ、美羽 愛、美里 玲菜、青騎 司、美空 真瑠、星空 美咲、夏希 真斗、稀奈 ゆい、湖華 詩、初音 夢、伶愛輝 みら、花翔 ひかり、湖春 ひめ花、鏡 星珠、遼 美来、宇咲 瞬、美遥 あゆ、月翔 きら、真澄 ゆかり、慧那 まや、七彩 はづき、静乃 めぐみ、希蘭 るね、瀬七波 いろ、咲良 さき、常和 紅葉、華波 侑希、花海 凛、滝 みらい、光稀 れん、美翠 せいら、纏 涼、輝涼 じゅん、華路 らら

 

公演日:

宝塚公演 2023年1月1日(日)~1月30日(月)宝塚大劇場

東京公演 2023年2月18日(土)~3月19日(日) 東京宝塚劇場

 

 

観劇日:2023年1月7日(土)15:30公演