今回のレビューは、ミュージカル「ナビレラ-それでも蝶は舞う-」です。
韓国のマンガ原作で、Netflixでも映像化している本作。
バレエダンサーの夢をあきらめそうになっている青年と、定年退職後、自身の夢であったバレエを習い始めた男性のお話。
普通に生活していたら交わることがないであろう二人が、それぞれに影響を与え、人生を変えていく様をドラマティックに描いています。
Netflixに本作のドラマがあることは知っていて、マイリストには入れているのですがなかなか見る時間がなく…。本来であればドラマを観てから観劇したかったのですが、逆にストーリーを一切知らない状態で観ることができて、かなり感動しました。
バレエダンサーを夢見るも、挫折しそうになっている青年チェロクを三浦宏規さんが演じています。
歌もうまい、芝居もうまい、さらにはバレエまで出来るとは…。一体何者なんだ、というくらいの才能の塊。
最近では舞台「千と千尋の神隠し」やミュージカル「のだめカンタービレ」、「キングダム」など立て続けに大作へ出演し続けている”次世代スター”という印象ですが、今回初めて拝見して、”めちゃくちゃ芝居上手いなー!”と思いました。
どんな役でも自分のものにしてしまう存在感や器用さがあるなと思いましたし、純粋にいろんな作品で観てみたい役者さんだと感じました。
60歳でバレエダンサーの夢を追いかける男性、ドクチュルを演じたのは川平慈英さん。
様々な舞台に出演されているイメージですが、ミュージカルまで出演されるとは。長年の夢であるバレエに対して純粋でまぶしい気持ちを向け、自身だけではなくチェロクの運命をも変えていきます。
家族の問題、学校でのいじめ、友情、母親の死、病気、など、韓国ドラマあるあるをとことん詰め込んでいるなぁというストーリーで、とにかく分かりやすいし感情移入しやすい。
この分かりやすさがミュージカル向きでしたし、楽曲も素敵で涙を誘いました。
悪ガキが自分と真正面から向き合ってくれる大人と出会い、生まれ変わっていくストーリー大好き人間なので、ストーリーがとにかくたまらんです。(ごくせんROOKIES大好き)
年齢的にも体力的にも、定年後の今からバレエを習うことを家族に否定されるドクチュルですが、夢を叶えたいという揺るぎない思いが、周りを動かしていきます。
そして、チェロクと出会い、お互いがお互いを支えあう。素敵な関係性を歌に乗せ、ラストのバレエシーンでは泣かずにはいられない…。それほどの感涙必至作品でした。
【公演情報】
ミュージカル『ナビレラ-それでも蝶は舞う-』
原作:「ナビレラ」HUN,JIMMY
上演台本・演出: 桑原裕子
出演:
三浦宏規、川平慈英、岡まゆみ、狩野英孝、オレノグラフィティ、瀧澤翼、井上音生、舘形比呂一、久保貫太郎、市川絵美、岩﨑巧馬、岡山玲奈、河西茉祐、古賀雄大、政田洋平、舞夏、山田美貴
日程
東京公演:2024年5月18日(土)~6月8日(土) シアタークリエ
観劇日:2024年5月25日(土)18:00公演