『書きます!#観劇レビュー』

20代の管理人が鑑賞した舞台のレビューを書き残していきます!

舞台『フォーティンブラス』を観劇した感想(ネタバレあり)

第71回目のレビューは、戸塚祥太さん主演「フォーティンブラス」です。


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東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンにて上演中の本作は、”舞台俳優”の生きざまを描いた作品。


幾度となく再演を繰り返し、様々な俳優で上演されてきた本作。

今回は主演のフォーティンブラス役に戸塚祥太さん、ハムレット役に内博貴さんを迎え、若々しく情熱に満ち溢れる作品となっておりました。

 

 

ジェットコースターのような作品

 


幕があがるとハムレットが上演されており、私たちはハムレットを観に来た観客となる。しかしそれは劇中劇で、今作の主役はその作品を演じている舞台役者たちです。


シェイクスピア作品には劇中劇が多く登場するイメージで、本作もまた、ハムレットからインスパイアされた作品ということですが、最初から劇中劇が展開されていくストーリーに非常に面白さを感じました。

 

最初に舞台役者たちの演じるハムレットを目にすることで、それぞれの役者の立ち位置を知ることができ、また、二重構造となっていることで役者たちの表と裏の対比が悲しくもおかしく見えてくるのです。


とにかく早い台詞回しにひたすら流れ続ける音楽。舞台は一度も流れを止めることなく進み続け、最後までトップスピードで舞台俳優から溢れ出る熱量を受け止めることになります。

まるでジェットコースターのようなスピード感のある作品でした。

 

 

舞台俳優たちの苦悩

 


理不尽なことの多い世の中ですが、役者の世界もまた理不尽なことの多い世界なのではないでしょうか。キレイなまま夢や希望を持ち続けることは難しく、抗えない現実に戸惑い苦しむ役者たちの姿がそこにはありました。

 


本作の主人公、フォーティンブラスとその役を演じる売れない役者を演じるのはA.B.C-Z戸塚祥太さん。

数多くの舞台に出演し、今年は新橋演舞場で上演された舞台「未来記の番人」でも主演を務められ、今年2作目の主演舞台となります。

 

舞台「未来記の番人」も観劇しており、観劇レポも書いておりますので、ぜひご覧ください。

www.kakimasu-review.com

 

 

戸塚さんは、自分の理想と現実の狭間で腐りかけている役者・羽沢武年と、打倒ハムレットに燃えるフォーティンブラス、似ても似つかぬ2役を演じ分けています。


亡霊やその他の役者などに対して、戸塚さん演じる武年は受け身の芝居が多いのですが、受けと仕掛ける芝居の演じ分けが本当に上手いです。また、本作ではフォーティンブラスと羽沢武年を入れ替えながら演じる場面が多く登場しますが、流れるようにスイッチが切り替わる、というか気づいたら切り替わっている。この技術は圧巻です。

 

武年は、口は達者ですが役者という仕事に対して覚悟がなく、どこか煮え切らない。そんな中でフォーティンブラスの父であるという亡霊に出くわしてしまい、この状況に戸惑いながらもフォーティンブラスとしてハムレットへの復讐を誓ってしまうのです。

役者業に覚悟のなかった武年が、亡霊や他の役者との出会いによって徐々に心動かされ、最後にはすべてを巻き込む舞台の幕があがります。

 

 

それぞれにスポットライトの当たるストーリー

 

 

シェイクスピアハムレット」の主人公はハムレットですが、今作はそれぞれの役者にスポットライトが当てられ、全員が主役となっている作品でした。


過去や権力に縛られ、本音に蓋をする役者たちがそれぞれの現実と向き合うのですが、その悩み苦しむ姿を通して、演劇への情熱を観客は目の当たりにします。そして最後には、その役者を演じている役者そのものから「演じることへの情熱」を感じるという、複雑な構造から生まれる感情がありました。

 


ハムレット役、そして超ワガママ俳優を演じている内博貴さんは、舞台上に立っている姿を見るだけで、その二役を演じることへの説得力がありました。彼の言動がきっかけで様々な俳優たちが悩むこととなるのですが、圧倒的権力者として舞台上に存在し、とにかく存在感がありました。

 

 

舞台俳優を演じるからこその演出

 


劇中劇とその舞台裏を交互に演じることで、観客が本来目にしない役者の舞台裏での動きをあえて見せるという演出は本作の設定だからこそ可能であり、面白い見せ方です。

衣装から稽古着への着替え、また、私服から衣装への着替えをあえて見せることで、二重構造をわかりやすく観客に伝える効果がある演出でした。

 

 


ハムレットという難しい戯曲を題材とした作品ですが、本質は舞台俳優たちの舞台への情熱が劇場いっぱいに溢れる、目に見える熱を帯びていた作品でした。

 

 

【公演情報】


「フォーティンブラス」


作:横内謙介


演出:中屋敷法仁

 

出演者:戸塚祥太A.B.C-Z)/能條愛未矢島舞美/富岡晃一郎、納谷 健、吉田美佳子、新原 武、吉田智則/内 博貴

 

公演日程:2021年8月19日(木)~29日(日) Bunkamura シアターコクーン

 

観劇日:2021年8月24日(火)18:00公演

 

 

舞台『コムサdeマンボ!』を観劇した感想(ネタバレあり)

第70回目のレビューは、舞台『コムサdeマンボ!』です。


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関西を中心に俳優として活躍されているジャニーズの室龍太さんを主役に迎え、テレビ番組の制作会社を舞台に展開する、ワンシチュエーションドタバタコメディ作品でした!

 

 

新喜劇のようなドタバタコメディー

 

 

ステージ上にはバラエティ番組制作会社のワンルームが広がり、番組で使用するのであろう様々な小道具が置かれておりました。

見た目もカラフル、演者の衣装もカラフル、そして何よりも新喜劇さながらのクセのあるキャラクターが次から次へと登場し、絶えず問題が舞い込み大混乱!

 

アドリブもあり、むちゃぶりもありで、その日限りの舞台をキャスト全員で作り上げている感覚がありました。

客席からも笑い声が響き、それに呼応するかのようにステージ上でもまた新たな笑いが生まれ、毎公演同じ台詞のものは上演されないんだろうなという特別感がありました。

 

コメディならではの演出

 

 

コメディ作品ならではの演出が数多く取り入れられておりましたが、その中でもひとつ。ストロボモーションのような、暗闇の中で照明を連続点滅させることで舞台上で役者がコマ送りのように見えるような演出で場面転換しており、場面を切らさず流れるように、かつ、コメディ要素も盛り込みながら転換する手法だと感じました。

 

照明の連続点滅を用いる演出は、長時間見ていると目がパキパキしますし具合も悪くなる方もいらっしゃいますので短時間かつ少ない場面の使用に限りますが、喜劇的要素もありますし、非常に面白い照明演出のひとつだと個人的にも感じています。

 

 

主演である室龍太さんはクセのあるキャラクター達の小さなボケもしっかり処理して、かなり対応力スキルの高い役者さんだなぁと感じました。今後、コメディ以外の舞台作品で別の表情も観れるのではないかと期待しております。

 

 

【公演情報】

 

コムサdeマンボ!』

https://c-mambo.com

 

作: 可児理華

演出:水田伸生 

 

出演者:室龍太/ 田中真琴古謝那伊留川久保拓司/ 石垣佑磨金田哲六角慎司/ 酒井敏也  

 

公演日程:

 

大阪公演:2021年8月5日(木)~8月8日(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

 

東京公演:2021年8月11日(水)~8月22日(日) 銀座 博品館劇場

 

京都公演:2021年8月24日(火)・8月25日(水) 京都劇場

 

静岡公演:2021年8月27日(金)静岡市民文化会館 中ホール

 

観劇日:2021年8月15日(日)17:30公演

 

 

 

朗読劇『逃げるは恥だが役に立つ』を観劇した感想(ネタバレあり)

第69回目のレビューは、朗読劇「逃げるは恥だが役に立つ」です。

 

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シアタークリエにて様々なキャストが日替わりで演じるという本作。ドラマ版は社会現象になるほど大ヒット。今年はスペシャルも放送され、今もなお人気の高い作品です。

 

そんな"逃げ恥"を朗読劇という形で上演するという企画。2019年に第1弾が上演され、今回は再演とのこと。第1弾が好評だったということが伺えます。

 

朗読劇といえども、ただ読んでいるだけじゃない!

今までの朗読劇の概念が覆るような、驚きの観劇体験でした。

 

 

目でも楽しめる朗読劇

 

本作は、ただ読むだけではなくプロジェクションマッピングを用いて、まるでアニメのような演出が加わっており、耳だけでなく目でも楽しい作品でした。

 

状況描写や心情の変化なども映像が補完しテンポよくストーリーが展開していくことで、約2時間という上演時間の中で平匡とみくりの恋模様をドラマ版ラストまで描いており、非常に観やすかったです。

 

ブコメならではのくすっと笑ってしまうような仕掛けも随所に散りばめられ、心の温かくなる作品でした。

 

 

4人の登場人物

 

本作ではメインである4人のキャラクターが登場し、物語が進んでいきました。

 

 

森山みくり(もりやま みくり):25歳。派遣切りに合い職を失うも、平匡の家事代行サービスを請け負うことになる。

津崎平匡(つざき ひらまさ):36歳。恋愛経験なし。独身サラリーマン。

風見涼太(かざみ りょうた):27歳。平匡の会社の同僚。

土屋百合(つちや ゆり):52歳。みくりの叔母。

 

 

 

今回私は8月13日の公演を観劇し、森山みくり役を大原櫻子さん、津崎平匡役を戸塚祥太さん、風見涼太役を梅原裕一郎さん、土屋百合役をシルビア・グラブさんが演じられておりました。

 

やはり朗読劇ということもあり、演技力そして美しい声を持つ方々がキャスティングされており、非常に耳が幸せでした。

 

大原櫻子さんは以前からとても好きな女優さんで、歌唱力も抜群で、さらに演技力も高い実力派の女優さんです。

みくりの素直で可愛らしいキャラクターが声のテンションから伝わってきて、終始可愛かったです!

 

戸塚祥太さんも以前から応援している役者さんで、落ち着いていて透き通る声だなぁと以前から思っていたのですが、今回の朗読劇にキャスティングされたことを知ったとき、とても嬉しかったことを覚えています。

平匡さんの真面目だけど不器用なキャラクターを、落ち着いたトーンで話されており、星野源さんとはまた違う、愛らしい平匡になっていました。

特に心の声を話すシーンが印象的で、みくりと話しているいつもの話し方とはガラッと変わり、焦りや本音がボロボロとこぼれていて、戸塚さんの演じ分けに感心すると同時にくすっと笑ってしまうシーンの数々でした。

 

キャスティングされている方々は、声優やミュージカル俳優、元宝塚俳優の方々など、素敵な声をお持ちの方々ばかりです。

 

朗読劇と言えども、目の前で広がるムズキュンの世界にしっかりとムズキュンさせられ、ラストまでドキドキしっぱなしでした。

 

ラストシーン。婚姻届を提出した平匡とみくりは、これからの2人の生活について気持ちを伝え合います。このシーンは、セリフを少しずつ読みあってひとつの文章にしていき、2人の初めての共同作業を見ているような感覚になりました。ようやく気持ちが通じ合い、幸せを噛みしめている2人を見て幕が閉じる。とても素敵な演出だと感じました。

 

今回、わたしは1公演のみの観劇でしたが、色々な方の声で逃げ恥の世界を耳から感じてみたくなりました。

 

 

【公演情報】

 

恋を読むinクリエ『逃げるは恥だが役に立つ

 

原作:海野つなみ逃げるは恥だが役に立つ」(講談社「Kiss」所載)


脚本・演出:三浦直之

 

公演:2021年8月11日(水)~18日(水) シアタークリエ


出演(出演日順):細谷佳正太田基裕戸塚祥太A.B.C-Z)、立石俊樹、荒木宏文 / 仙名彩世、桜井玲香大原櫻子花乃まりあ、城妃美伶、内田真礼 / 梅津瑞樹、立花裕大、有澤樟太郎、梅原裕一郎水田航生、牧島輝、矢田悠祐 / 壮一帆シルビア・グラブ友近春野寿美礼朴ろ美

 

 

 

観劇日:2021年8月13日(金)18:30公演

 

 

舞台『もしも命が描けたら』を観劇した感想(ネタバレあり)

第68回目のレビューは、田中圭さん主演「もしも命が描けたら」です。

 

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放送作家鈴木おさむさんと俳優・田中圭がタッグを組む、舞台作品第三弾として上演される本作。

鈴木おさむさんが『僕とやるときにしか見せない、彼の炎を見せたい』とお話されているように、俳優・田中圭の持ちうるすべてのパワー、熱量を感じる作品となっておりました。

 

自殺しようとする男と見守る三日月

 

子供の頃から家族にも見放され、希望もなくただただ生きていた月人(田中圭)。

彼の人生は暗く、大切な人から見放され、さらに大切な人がこの世を去る。あまりにも生きていくにはショッキングな出来事が幾度となく彼の周りで起こります。

 

そんな自分の今までの人生を、月人は行き継ぐ間もなく三日月(黒羽麻璃央)に喋り続けます。

一方で、三日月はその話を聞いているだけ。まるで時計が1秒ずつ針を進めるようにゆっくりと確実に、三日月はステージを縁取りながら歩きます。

 

薄めの文庫本くらいあるんじゃないかという膨大なセリフを、ひたすらに喋り続ける田中圭さんの凄さに圧倒され、また一方で「セリフ多いな」と思わせない技術も素晴らしいです。感情が一文一文に乗り、小説を聞いているかのごとく耳にすっと入ってきました。

 

 

命を削って命を与える力

 

彼はとある出来事をきっかけにこの残酷なこの世を去ろうとします。でもなぜか死ねないのです。

そんな彼を見て、三日月が話し始めます。「死ぬなら良いことをしてから死んだらどう?」

 

 

三日月の言葉をきっかけにストーリーはファンタジーの世界に変化していきます。

ステージ上をプロジェクションマッピングを使って彩り、先程の世界とは一変、一気にファンタジーの世界に引き込んでいきます。

 

三日月は月人に「絵を描くことで、自分の命と引き換えに描いたものに命を与える力」を与えました。

 

月人が力を手に入れた瞬間、ステージにプロジェクションマッピングで無数の光が映し出され、月人に力が宿ったことが演出でも表現されていました。

 

YOASOBIのテーマソングがまた流れ始め、月人が森の中で命を救う場面では、ステージ上で森の映像とともに花や蝶が映し出されていきます。

 

力を手に入れた月人は1日も早く死ぬために、沢山の生き物たちを描いていくのですが、そんな生活のなかで自分の人生を変えてくれる人に出会い、生きることに対する考え方が変わっていくのです。

 

だらだらと毎日過ごして、次の日には昨日何話したか忘れてしまったり、でも、そんな生活がとても幸せなんだと気づきます。ただ、死への未練もある。

 

さらに想像もしていなかった出来事が交錯し、最後、月人は残された命をすべて、ある人に与えるという大きな決意をするのでした。

 

 

ラストシーン

 

 

月人は大切な人の笑顔を守るため、"大切な人の大切な人"に自分の命をすべて与えて、自身の命を終えました。

 

様々な解釈のできるラストシーンだと思いました。

受け手に解釈を委ねてくれる余白のある終わり方で、月人は幸せだったのか、それとも苦しかったのか、様々な解釈のできるラストシーンでしたが、私は幸せだったんだろうなと感じました。

 

もともとは死ぬはずだった身。そこから沢山の命を救い、最後には自分の決めた道を進むことにしたのです。

苦しいなかにも光の差し込む終わり方だったと思います。

 

辛い。苦しい。死にたい。楽しい。いやだ。幸せ。嬉しい。まるでジェットコースターのように変化していく感情を表現していく田中さんはやっぱり器用で実力のある役者さんだなぁと思います。

 

特に"目の動かし方"や"目の覇気"の表現が圧巻だと感じていて、例えば、人生に絶望したときの、恐怖と逃げたい感情が見える視線。

時が止まっているんじゃないかと思うくらい、瞬間の苦しみが伝わってくるのです。

 

『もしも命が描けたら』というタイトルにもあるように、本作は"命"にまつわるストーリーが展開していきます。

このタイトルにも通じますが、田中さんは自身の命を削りながらの圧巻の芝居をされておりました。

 

自身も前から応援している大好きな俳優さんで、田中さんの出演する作品はほぼ観劇しています。

2年半前に「チャイメリカ」という作品に出演しており、こちらも感想レポを描いておりましたのでぜひご覧ください。

 

www.kakimasu-review.com

 

 

シンプルな舞台、だからこそ伝わるそれぞれの感情

 

 

ステージ上には大きな月が掲げられ、そして 傾斜のついた舞台。

舞台上にはいくつもの岩が並べられ、空虚さの伝わる世界が広がっていました。

シンプルだからこそ、3人の役者さんの動きやセリフに集中し、キャラクターの感情がよりダイレクトに伝わってきました。

 

そして本作は3人舞台で、田中さんのほかに黒羽麻璃央さん、小島聖さんが出演されております。

黒羽さんは三日月ともう一役演じておりますが、似ても似つかぬキャラクターで、演じ分けが素晴らしかったです。三日月という抽象的で難しいキャラクターですが、月人の人生に大きく関わる重要な役で、柔らかな印象と捉えにくいイメージを声の強弱などで表現されていて素晴らしく、また、妖艶さを持つ役者さんだと感じました。

 

小島さんは数多くの舞台に出演されているとのことなのですが、にじみ出るような感情が、表情と声の震えで伝わってくるシーンがあり、フィクションなのに現実を感じる凄みがあり、主役をも凌駕する、とても大きな存在感がありました。

 

そして本作のテーマソングを、今の日本音楽シーンのトップに君臨するYOASOBIが描き下ろしており、開演と同時に彼らの曲が劇場に流れ、そこから物語の世界へと引き込んでくれました。

舞台にテーマソングがあるというのはあまりないパターンなのではないかと思いますが、聴くだけで舞台を思い出して涙が出てきてしまうほど、歌詞がストーリーと完全にリンクしているのも驚きでした。

 

早く音源が解禁されないかな、と願うばかりです。

 

鈴木おさむさんと田中圭さんの舞台作品でのタッグは本作で3作品目ですが、鈴木おさむさんにしか出せない、田中さんの表現力やエネルギーがあると毎回感じます。

ぜひ第4弾も数年後に観れることを期待しています。

 

【公演情報】

 

「もしも命が描けたら」

 

作・演出:鈴木おさむ
アートディレクション清川あさみ
テーマ曲:YOASOBI
出演:田中圭黒羽麻璃央小島聖

 

東京公演:2021年8月12日(木)~22日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス

兵庫公演:2021年9月3日(金)~5日(日)兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

愛知公演:2021年9月10日(金)~12日(日)穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール


 

観劇日:2021年8月14日(土)13:00公演、18:00公演

大人計画「3年B組皆川先生~2.5時幻目~」を観劇した感想(ネタバレあり)

第67回目のレビューは、大人計画「3年B組皆川先生~2.5時幻目~」です。

 

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数年に一度、皆川さんと荒川さんをメインとした作品を上演する大人計画ですが、今回も期待を裏切らないハチャメチャコメディーを見せてくれました!

 

 

絶対に面白いことが約束されている作品

 

皆川猿時さん演じる皆川(役名)が多額の借金を返すため引き受けた仕事が、荒川良々さん演じる荒川(役名)をはじめ、問題児ばかりいる3年B組の担任!

「誰一人退学することなく全員卒業させたら借金すべて支払う!」という教頭の言葉を信じ、皆川は問題児に振り回されながらも、生徒たちとともに学校生活を奔走するという物語。

 

 

ぶっ飛んでます。ぜんぶぶっ飛んでて最初から最後まで笑わずにはいられません。

「これこれ!これが見たかったんだよ!」が詰まっている最高に大好きな作品でした。

 

年齢とか関係なく、制服を着て学校のシチュエーションなんだから誰が何と言おうと全員高校生を演じているんです。「この人たち、全力でバカやってるなぁ」がカッコよくて愛しくて、なんならこの作品を観に来てるお客さんさえも愛しく思えてきて、全員「起立!」で立たされて全員で礼をする、その一体感にほっこりしました。

 

 

2.5次元ミュージカル・・・??

 

タイトルにもあるように(タイトルは"2.5時幻"ですが)、作中で2.5次元ミュージカルが繰り広げられます。

 

2.5次元ミュージカルとは、漫画やアニメを舞台・ミュージカル化したもので、いかに二次元の映像を3次元で表現するかが鍵となるジャンルです。

私もいくつか観劇したことがありますが、プロジェクションマッピングや音響効果を多用し、2次元の世界観を作り上げていきます。

 

今回はその2.5次元ミュージカルの大パロディーを全力でやる!といった感じで、随所にプロジェクションマッピングやミュージカル要素が盛り込まれていて、テンポ良くストーリーが進んでいくのでワクワクが止まりませんでした。

 

 

最近は、個人的にコメディー作品を好んで観劇する傾向にあるのですが、この、皆川さん・荒川さん主演の作品は間違いなく面白いことが約束されているので、作品情報が公開されたときから、"絶対に観に行く"と強い決意を胸にしていました。

 

観劇する上で何も考えなくていいですし、ただひたすらに面白いだけ。

前にも書きましたが、コロナ禍という特殊な状況だからこそ、演劇から元気とパワーが欲しくて私は劇場に足を運んでいるんだな、と感じます。

 

お客さんも積極的には声を出せないなかですが、笑い声が会場中に響きわたったり、全員起立させられたり、探し物探させたり(笑)という参加型のこの作品に触れて、久しぶりにコロナ前の演劇鑑賞を思い出させてくれました。

 

 

【公演情報】

 

3年B組皆川先生~2.5時幻目~

otonakeikaku.net

 

作・演出:細川 徹

 

出演:皆川猿時荒川良々池津祥子、杉村蝉乃介、近藤公園上川周作、清宮レイ(乃木坂46、早出明弘、本田ひでゆき

 

公演日:2021年6月17日(木)~7月4日(日) 本多劇場

 

観劇日:2021年6月19日(土)18:00公演

 

 

羽ばたけ小劇団シリーズ⑥ 遅咲会「おーい、かえってこーい」を観劇した感想

久々の更新です、小劇団シリーズ。第6回です。

全体としては第66回のレビューとなります。

 

以前から何度から観劇させていただいている遅咲会の最新公演「おーい、かえってこーい」を観劇いたしました。

前回観劇した際のレビューは以下に掲載しておりますのでぜひご覧ください。

www.kakimasu-review.com

 

今回は、今まで以上に脚本が複雑かつ伏線がちりばめられまくりの作品でした。

 

 

〈あらすじ〉

 

友人たちと引っ越し作業をしているナオトの部屋に、突如不思議な穴が出現する。その穴は掃除機のようになんでも吸い込んでいき、ナオトたちは引っ越しで処分に困っていたゴミをすべてその穴に捨てることに。

穴の向こう側が気になった彼らは、怖がりつつも"向こう側"へと踏み込んでいく。

穴の向こう側は一体どこなのか...。そして、こちら側との関係は一体何なのか。

物語が進むにつれて奇妙な因果関係が明らかになり、ナオト達は想像もしていないとんでもない混乱に巻き込まれていく...。

 

 

穴の出現とともに、ステージ上の登場人物たちは大混乱。

さっきまで普通の壁だったのに、一瞬で通り抜けられる仕様になったステージの構造にシンプルに感動しました。

 

穴の向こう側とこちら側の謎が物語中盤で明らかになってからは、前半の物語が全て伏線へと変貌し、後半の物語へとつながっていくという謎解き的な要素もあり、非常に面白いストーリでした。

小道具や衣装を変えることで前半と後半を分け、キャラクターの立場・関係性を見せていく、というのもわかりやすかったです。

 

【公演情報】

 

遅咲会第16回公演「おーい、かえってこーい」

 

脚本:水谷健吾(遅咲会)

演出:荒木太郎(シアターザロケッツ)

 

出演:前田直紀、比嘉奈菜子、菅野英樹、太田純平、中川ミコ、水谷悠樹、菊田貴公、松本洋一、安澄かえで、なりた雛糸、真僖祐梨、竹田大将

 

日程:2021年5月18日(火)~5月23日(日)

 

会場:劇場MOMO

 

観劇日:2021年5月21日(金)19:00公演

 

TEAM NACS『マスターピース~傑作を君に~』を観劇した感想(ネタバレあり)

第65回目のレビューは、TEAM NACS第17回公演「マスターピース~傑作を君に~」です。

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TEAM NACS 25周年となる今年、3年ぶりの最新作を上演しています。

 

「日本一チケットの取れない演劇ユニット」と言われているTEAM NACSですが、今作のチケットが奇跡的に取れたので観劇してきました。

 

5人だからこそ生まれる空気感やキャラクター同士の掛け合いに会場が何度も笑いに包まれ、とても温かな気持ちになる作品でした。

 

登場人物は10人!

 

映画の脚本を宿に泊まり込みで書く4人(森崎さん、戸次さん、安田さん、大泉さん)と宿の番頭(音尾さん)。

 

登場人物は5人だけ、と思いきや!

5人とも宿の女中さんとしても登場するので登場人物はなんと10人!

舞台袖に捌けたと思いきやすぐに女中さんとして登場するので、5人とも出たり入ったりが多く、舞台上がはちゃめちゃ騒ぎになっていきます。

 

5人それぞれの演じ分けも凄いですし、自身が演じている一方のキャラクターとは入れ違いになるため、ストーリー上会いたくても会えない面白さもあり、ばかばかしさも相まって会場は大爆笑に包まれていました。

 

個人的にですが、安田さんの演じ分けがすごすぎて衝撃を受けました。

安田さんは冴えない脚本家"乙骨さん"とおしとやかな女中"高田さん"を演じているのですが、どう考えても同一人物が演じているとは思えない別人っぷりなんです。

 

話し方はもちろんですが、舞台上での立ち姿、歩き方、仕草すべて、どちらも安田さんが演じていると分かっていても全く違うんです。

昨年、安田さんが主演されている舞台「ボーイズ・インザ・バンド」を観劇しましたが(なんとレビュー書いてませんでした・・・すいません・・・)、その際はゲイ役を演じられており、妖艶さを持ち合わせた男性を演じてらっしゃいました。

役が憑依したように演じられるので、本作もまた二役の演じ分けを観させていただき、この目で見ることができ感無量です。

 

 

ワンシチュエーションだけれど

 

舞台上は旅館の部屋そのもので大きな場面転換はありませんでしたが、プロジェクションマッピングを使用し、オープニングや演者紹介、ストーリー説明を文字を投影することで客席に説明するという、面白い演出がなされていました。

 

まるでワンシチュエーションの1本の映画を観ているような気分にもなり、役者が入れ違いで二役のキャラクターを演じることで視覚的な面白さもありました。

 

 

TEAM NACS

 

近年は3年に一度というペースで新作公演を行っているTEAM NACSですが、あまりの人気にチケットは入手困難です。

ですが、地方を細かく回って公演してくれますので、東京や大阪が遠かったり新型コロナウイルスの影響で遠出が難しい状況下では非常にありがたいです。

本作は6月6日の千秋楽にライブビューイング・ストリーミング配信も予定されているそうですので、劇場に足を運べない人も観ることができます。

 

また、カーテンコールでは一人ずつお話をしてくださるんですね(知りませんでした)。その地方に絡めたお話をしてくださったりして、人柄が伝わります。だからこそ全国的にファンの方が多いんだと感じます。私も前から大好きな俳優さんたちですが、さらにファンになりました。

そしてあの5人が"5人だけで舞台上で芝居をしている空間"にいられる喜びを感じました。

 

観た人全員の背中を押す作品

 

何かに一生懸命に取り組む人たちへの応援歌のような作品だと感じました。

仕事、恋愛、夢に向かって頑張る人たち、私たちは何かを一生懸命に取り組んでいる。たとえ頑張っているという意識がなくとも。

ということは、この作品を観た人全員に対して「自分らしく、少し立ち止まってもいいから一歩ずつ前に進もうよ」とそっと背中を押してくれる、心が温かくなる作品でした。

 

【公演情報】

 

TEAM NACS 第17回公演『マスターピース~傑作を君に~』

http://www.teamnacs.com/stage.php

 

脚本:喜安浩平


演出:マギー

 

出演:森崎博之 安田顕 戸次重幸 大泉洋 音尾琢真

 

 

大阪公演:2021年4月5日(月)〜2021年4月11日(日) COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール

広島公演:2021年4月13日(火)〜2021年4月15日(木) 上野学園ホール

福岡公演:2021年4月17日(土)〜2021年4月21日(水) 福岡市民会館

愛媛公演:2021年4月24日(土)〜2021年4月25日(日) 松山市民会館大ホール

仙台公演:2021年4月28日(水)〜2021年4月29日(木祝) 電力ホール

新潟公演:2021年5月1日(土)〜2021年5月2日(日) 新潟テルサ

長野公演:2021年5月4日(火祝)〜2021年5月5日(水祝) まつもと市民芸術館

名古屋公演:2021年5月7日(金)〜2021年5月8日(土) 名古屋市公会堂大ホール

東京公演:2021年5月12日(水)〜2021年5月23日(日) EX THEATER ROPPONGI

北斗公演:2021年5月28日(金)〜2021年5月30日(日) 北斗市総合文化センター・かなで~る

札幌公演:2021年6月1日(火)〜2021年6月6日(日) カナモトホール(札幌市民ホール)  

 

ライブ・ビューイング&ストリーミング配信

2021年6月6日(日)  

TEAM NACS 第17回公演 「マスターピース~傑作を君に~」 ライブ・ビューイング&ストリーミング配信 | LIVE VIEWING JAPAN

 

 

観劇日:2021年5月2日(日)14:00公演