『書きます!#観劇レビュー』

20代の管理人が鑑賞した舞台のレビューを書き残していきます!

大人計画「3年B組皆川先生~2.5時幻目~」を観劇した感想(ネタバレあり)

第67回目のレビューは、大人計画「3年B組皆川先生~2.5時幻目~」です。

 

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数年に一度、皆川さんと荒川さんをメインとした作品を上演する大人計画ですが、今回も期待を裏切らないハチャメチャコメディーを見せてくれました!

 

 

絶対に面白いことが約束されている作品

 

皆川猿時さん演じる皆川(役名)が多額の借金を返すため引き受けた仕事が、荒川良々さん演じる荒川(役名)をはじめ、問題児ばかりいる3年B組の担任!

「誰一人退学することなく全員卒業させたら借金すべて支払う!」という教頭の言葉を信じ、皆川は問題児に振り回されながらも、生徒たちとともに学校生活を奔走するという物語。

 

 

ぶっ飛んでます。ぜんぶぶっ飛んでて最初から最後まで笑わずにはいられません。

「これこれ!これが見たかったんだよ!」が詰まっている最高に大好きな作品でした。

 

年齢とか関係なく、制服を着て学校のシチュエーションなんだから誰が何と言おうと全員高校生を演じているんです。「この人たち、全力でバカやってるなぁ」がカッコよくて愛しくて、なんならこの作品を観に来てるお客さんさえも愛しく思えてきて、全員「起立!」で立たされて全員で礼をする、その一体感にほっこりしました。

 

 

2.5次元ミュージカル・・・??

 

タイトルにもあるように(タイトルは"2.5時幻"ですが)、作中で2.5次元ミュージカルが繰り広げられます。

 

2.5次元ミュージカルとは、漫画やアニメを舞台・ミュージカル化したもので、いかに二次元の映像を3次元で表現するかが鍵となるジャンルです。

私もいくつか観劇したことがありますが、プロジェクションマッピングや音響効果を多用し、2次元の世界観を作り上げていきます。

 

今回はその2.5次元ミュージカルの大パロディーを全力でやる!といった感じで、随所にプロジェクションマッピングやミュージカル要素が盛り込まれていて、テンポ良くストーリーが進んでいくのでワクワクが止まりませんでした。

 

 

最近は、個人的にコメディー作品を好んで観劇する傾向にあるのですが、この、皆川さん・荒川さん主演の作品は間違いなく面白いことが約束されているので、作品情報が公開されたときから、"絶対に観に行く"と強い決意を胸にしていました。

 

観劇する上で何も考えなくていいですし、ただひたすらに面白いだけ。

前にも書きましたが、コロナ禍という特殊な状況だからこそ、演劇から元気とパワーが欲しくて私は劇場に足を運んでいるんだな、と感じます。

 

お客さんも積極的には声を出せないなかですが、笑い声が会場中に響きわたったり、全員起立させられたり、探し物探させたり(笑)という参加型のこの作品に触れて、久しぶりにコロナ前の演劇鑑賞を思い出させてくれました。

 

 

【公演情報】

 

3年B組皆川先生~2.5時幻目~

otonakeikaku.net

 

作・演出:細川 徹

 

出演:皆川猿時荒川良々池津祥子、杉村蝉乃介、近藤公園上川周作、清宮レイ(乃木坂46、早出明弘、本田ひでゆき

 

公演日:2021年6月17日(木)~7月4日(日) 本多劇場

 

観劇日:2021年6月19日(土)18:00公演

 

 

羽ばたけ小劇団シリーズ⑥ 遅咲会「おーい、かえってこーい」を観劇した感想

久々の更新です、小劇団シリーズ。第6回です。

全体としては第66回のレビューとなります。

 

以前から何度から観劇させていただいている遅咲会の最新公演「おーい、かえってこーい」を観劇いたしました。

前回観劇した際のレビューは以下に掲載しておりますのでぜひご覧ください。

www.kakimasu-review.com

 

今回は、今まで以上に脚本が複雑かつ伏線がちりばめられまくりの作品でした。

 

 

〈あらすじ〉

 

友人たちと引っ越し作業をしているナオトの部屋に、突如不思議な穴が出現する。その穴は掃除機のようになんでも吸い込んでいき、ナオトたちは引っ越しで処分に困っていたゴミをすべてその穴に捨てることに。

穴の向こう側が気になった彼らは、怖がりつつも"向こう側"へと踏み込んでいく。

穴の向こう側は一体どこなのか...。そして、こちら側との関係は一体何なのか。

物語が進むにつれて奇妙な因果関係が明らかになり、ナオト達は想像もしていないとんでもない混乱に巻き込まれていく...。

 

 

穴の出現とともに、ステージ上の登場人物たちは大混乱。

さっきまで普通の壁だったのに、一瞬で通り抜けられる仕様になったステージの構造にシンプルに感動しました。

 

穴の向こう側とこちら側の謎が物語中盤で明らかになってからは、前半の物語が全て伏線へと変貌し、後半の物語へとつながっていくという謎解き的な要素もあり、非常に面白いストーリでした。

小道具や衣装を変えることで前半と後半を分け、キャラクターの立場・関係性を見せていく、というのもわかりやすかったです。

 

【公演情報】

 

遅咲会第16回公演「おーい、かえってこーい」

 

脚本:水谷健吾(遅咲会)

演出:荒木太郎(シアターザロケッツ)

 

出演:前田直紀、比嘉奈菜子、菅野英樹、太田純平、中川ミコ、水谷悠樹、菊田貴公、松本洋一、安澄かえで、なりた雛糸、真僖祐梨、竹田大将

 

日程:2021年5月18日(火)~5月23日(日)

 

会場:劇場MOMO

 

観劇日:2021年5月21日(金)19:00公演

 

TEAM NACS『マスターピース~傑作を君に~』を観劇した感想(ネタバレあり)

第65回目のレビューは、TEAM NACS第17回公演「マスターピース~傑作を君に~」です。

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TEAM NACS 25周年となる今年、3年ぶりの最新作を上演しています。

 

「日本一チケットの取れない演劇ユニット」と言われているTEAM NACSですが、今作のチケットが奇跡的に取れたので観劇してきました。

 

5人だからこそ生まれる空気感やキャラクター同士の掛け合いに会場が何度も笑いに包まれ、とても温かな気持ちになる作品でした。

 

登場人物は10人!

 

映画の脚本を宿に泊まり込みで書く4人(森崎さん、戸次さん、安田さん、大泉さん)と宿の番頭(音尾さん)。

 

登場人物は5人だけ、と思いきや!

5人とも宿の女中さんとしても登場するので登場人物はなんと10人!

舞台袖に捌けたと思いきやすぐに女中さんとして登場するので、5人とも出たり入ったりが多く、舞台上がはちゃめちゃ騒ぎになっていきます。

 

5人それぞれの演じ分けも凄いですし、自身が演じている一方のキャラクターとは入れ違いになるため、ストーリー上会いたくても会えない面白さもあり、ばかばかしさも相まって会場は大爆笑に包まれていました。

 

個人的にですが、安田さんの演じ分けがすごすぎて衝撃を受けました。

安田さんは冴えない脚本家"乙骨さん"とおしとやかな女中"高田さん"を演じているのですが、どう考えても同一人物が演じているとは思えない別人っぷりなんです。

 

話し方はもちろんですが、舞台上での立ち姿、歩き方、仕草すべて、どちらも安田さんが演じていると分かっていても全く違うんです。

昨年、安田さんが主演されている舞台「ボーイズ・インザ・バンド」を観劇しましたが(なんとレビュー書いてませんでした・・・すいません・・・)、その際はゲイ役を演じられており、妖艶さを持ち合わせた男性を演じてらっしゃいました。

役が憑依したように演じられるので、本作もまた二役の演じ分けを観させていただき、この目で見ることができ感無量です。

 

 

ワンシチュエーションだけれど

 

舞台上は旅館の部屋そのもので大きな場面転換はありませんでしたが、プロジェクションマッピングを使用し、オープニングや演者紹介、ストーリー説明を文字を投影することで客席に説明するという、面白い演出がなされていました。

 

まるでワンシチュエーションの1本の映画を観ているような気分にもなり、役者が入れ違いで二役のキャラクターを演じることで視覚的な面白さもありました。

 

 

TEAM NACS

 

近年は3年に一度というペースで新作公演を行っているTEAM NACSですが、あまりの人気にチケットは入手困難です。

ですが、地方を細かく回って公演してくれますので、東京や大阪が遠かったり新型コロナウイルスの影響で遠出が難しい状況下では非常にありがたいです。

本作は6月6日の千秋楽にライブビューイング・ストリーミング配信も予定されているそうですので、劇場に足を運べない人も観ることができます。

 

また、カーテンコールでは一人ずつお話をしてくださるんですね(知りませんでした)。その地方に絡めたお話をしてくださったりして、人柄が伝わります。だからこそ全国的にファンの方が多いんだと感じます。私も前から大好きな俳優さんたちですが、さらにファンになりました。

そしてあの5人が"5人だけで舞台上で芝居をしている空間"にいられる喜びを感じました。

 

観た人全員の背中を押す作品

 

何かに一生懸命に取り組む人たちへの応援歌のような作品だと感じました。

仕事、恋愛、夢に向かって頑張る人たち、私たちは何かを一生懸命に取り組んでいる。たとえ頑張っているという意識がなくとも。

ということは、この作品を観た人全員に対して「自分らしく、少し立ち止まってもいいから一歩ずつ前に進もうよ」とそっと背中を押してくれる、心が温かくなる作品でした。

 

【公演情報】

 

TEAM NACS 第17回公演『マスターピース~傑作を君に~』

http://www.teamnacs.com/stage.php

 

脚本:喜安浩平


演出:マギー

 

出演:森崎博之 安田顕 戸次重幸 大泉洋 音尾琢真

 

 

大阪公演:2021年4月5日(月)〜2021年4月11日(日) COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール

広島公演:2021年4月13日(火)〜2021年4月15日(木) 上野学園ホール

福岡公演:2021年4月17日(土)〜2021年4月21日(水) 福岡市民会館

愛媛公演:2021年4月24日(土)〜2021年4月25日(日) 松山市民会館大ホール

仙台公演:2021年4月28日(水)〜2021年4月29日(木祝) 電力ホール

新潟公演:2021年5月1日(土)〜2021年5月2日(日) 新潟テルサ

長野公演:2021年5月4日(火祝)〜2021年5月5日(水祝) まつもと市民芸術館

名古屋公演:2021年5月7日(金)〜2021年5月8日(土) 名古屋市公会堂大ホール

東京公演:2021年5月12日(水)〜2021年5月23日(日) EX THEATER ROPPONGI

北斗公演:2021年5月28日(金)〜2021年5月30日(日) 北斗市総合文化センター・かなで~る

札幌公演:2021年6月1日(火)〜2021年6月6日(日) カナモトホール(札幌市民ホール)  

 

ライブ・ビューイング&ストリーミング配信

2021年6月6日(日)  

TEAM NACS 第17回公演 「マスターピース~傑作を君に~」 ライブ・ビューイング&ストリーミング配信 | LIVE VIEWING JAPAN

 

 

観劇日:2021年5月2日(日)14:00公演

 

舞台『パークビューライフ』を観劇した感想(ネタバレあり)

第64回目のレビューは、風間俊介さん主演「パークビューライフ」です。

 

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世田谷パブリックシアターにて上演中の本作は、朝ドラ「ひよっこ」などを書かれた岡田恵和さんが脚本を書かれており、男性ひとり女性3人の、登場人物4人で繰り広げられる会話劇です。

 

とある部屋で出会う4人

 

半ば引きこもり状態の成瀬洋(風間俊介)の部屋に、突如3人の女性が乱入!

成瀬に気づかず不法侵入し、3人での夜を楽しんでいた。

成瀬は部屋に入ってきた3人に驚き、3人も成瀬の存在に気づき大騒ぎ。

しかしこの出会いが、成瀬と3人の運命を大きく変えることになっていくのでした。

 

 

 

成瀬は冒頭から開始20分ほど全く喋りませんでした。

風貌や仕草、表情だけで成瀬のキャラクターを表現する風間さんの演技は圧巻でした。

 

成瀬の人生を大きく変えることになる3人の女性は倉科カナさん、中川翔子さん、前田亜季さん。

パワフルな同級生3人娘として、ストーリーを引っ張っていきます。

 

一緒に暮らしませんか?

 

成瀬は不法侵入してきた3人に対して「一緒に暮らしませんか」と言います。

そしてこう続けます。「僕ゲイなんで。」

成瀬のぶっとんだ提案を受け入れる3人。そこから奇妙な4人暮らしがスタートするのです。

 

今まで全く人と喋らず生きてきた成瀬にとって人と話すこと自体が新鮮で、3人が自分の人生に彩りを与えてくれる日々。

ひょんなことで口ケンカしたり一緒に笑ったり、過去の自分からは想像できないくらい明るくなった成瀬。

成瀬の生活が一変する様子を"音楽"と"衣装"、そして"ダンス"も交えて表現していて、今まで暗かったステージ上がカラフルになっていく様子は、キャラクターの気持ちの変化が伝わってきて心が躍りました。

 

誰かと暮らしたり話したりするのは楽しいと同時に面倒であり、時には辛くなってしまったり。自分以外の誰かと暮らした経験のある人なら痛いほどわかる感情が、物語の後半で強く描かれていきます。

 

 

物語の中盤、成瀬は彼女たちに対して後ろめたい感情が生まれます。

実は成瀬はゲイではなかったのです。彼女たちと一緒に暮らしたい一心でとっさについた嘘でした。嘘をつき続けることが苦しくなったしまった成瀬。

 

その嘘を告白することで彼女たちの心をひどく傷つけ、また成瀬自身も傷つくことになってしまいました。

 

個人的にはゲイだろうがなかろうが、一緒に暮らして仲良くなって心の底から信頼しあっていれば、そこは関係なくなってしまうように思いましたが、やはり暮らすきっかけが嘘だったということで関係性に亀裂が入ってしまった4人。

 

そこから語られる各々の気持ちが何とも痛々しくて、でも目の前の幸せをこぼしたくないという彼らが愛しくて、大好きなキャラクターたちでした。

 

ストーリーはぶっとんだ設定でありつつも、そのなかで繰り広げられる会話劇は人が人と生きていくことの尊さを感じることができました。

 

風間さんは挙動不審で暗かった成瀬の心情の変化を丁寧に演じ、3人に気持ちを吐露する最後のシーンは力強く、観客の心を動かしてくれました。

 

倉科カナさん、中川翔子さん、前田亜季さん幼馴染3人のやり取りも微笑ましく、また、3人それぞれが抱えている悩みがかなりリアルで、田舎から上京して3人と同じく東京で働いている私は他人事とは思えませんでした。

 

だからこそさらに彼らが愛おしく感じてしまったのかもしれません。

 

 

【公演情報】

 

『パークビューライフ』

 

作:岡田恵和

演出:田村孝裕

 

出演:風間俊介倉科カナさん、中川翔子さん、前田亜季さん

 

 

東京公演:2021年4月7日(水)~18日(日)  世田谷パブリックシアター

大阪公演:2021年4月23日(金)~25日(日) サンケイホールブリーゼ

愛知公演:2021年5月1日(土)・2日(日) ウインクあいち愛知県産業労働センター)大ホール

 

観劇日:2021年4月10日(土)12:00公演

 

劇団☆新感線『月影花之丞大逆転』を観劇した感想(ネタバレあり)

第63回目のレビューは、劇団☆新感線『月影花之丞大逆転』です。

 

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劇団☆新感線のファンの方はもちろん、観劇された方全員が笑い疲れてしまうくらいのはちゃめちゃコメディー作品でした!

 

Yello/新感線

 

本作は劇団☆新感線の新シリーズ「Yello/新感線」の1作品目ということで、"蜜にならない"、"上演時間が短い"、"お客さまが楽しく元気になる"を軸として展開される新シリーズとのこと。

 

この情報を入れずに観劇したのですが、確かにいつもの新感線作品に比べて上演時間が短く(短いといっても2時間5分。通常が超大作すぎるんですよね)、出演者も少ないな~(少ないといっても11名。通常が30名越えで多すぎます)と思っていました。なるほど、こういう新シリーズだったのですね。コロナ禍での上演ということで、演者の安全とお客さんの安全、どちらも考えられた非常に良い体制だと思います。

 

バカ騒ぎのお祭り作品

 

劇団☆新感線の作品を観たことある方なら分かる、過去作品のオマージュや名セリフも飛び出し、バカ騒ぎのお祭り作品でした。

 

ストーリーの途中には曲がいくつも披露され、まるで音楽ライブのよう。

さらに驚いたのが、曲が流れ始めるとお客さんがペンライトを振り出して参加できるというシステム!専用のペンライトがグッズとして販売されていました。

そういう風に客席参加型で盛り上がることができるなんて知らなかった・・買って私も一緒に振りたかった~~~。

 

場面もコロコロ変わりますが、背景のパネルを入れ替えるのみのスムーズかつシンプルな作り。そして演者の動きに合わせた細かな音と照明の演出に「さすがです」としか言いようがありません。

嵐のように過ぎ去る一つ一つの場面が、観ている観客を飽きさせずワクワクさせ続けますし、全員が全力で食らいついていくこのパワフルな作品は、演劇界と見に来たお客さんを明るくさせてくれる力を持っているなぁと感じました。

 

おなじみのメンバーとゲスト

 

古田新太さん、阿部サダヲさん、木野花さん、河野まさとさんをはじめとする劇団新感線常連組。

 

そして、浜中文一さん、西野七瀬さんというゲスト組。

 

全員が潰し合うくらいの存在感で、全員ステージ上で大爆発していました。

着替えも多いし、走ったり踊ったり歌ったり叫んだりでとにかく動きが多いですが、大変そうだな~という印象の前に、演劇要素をたっぷり含んだ想像以上のストーリーにこちらはそんなことを思うヒマもありませんでした。

 

全くそんな展開ではなかったのに、古田さんと阿部サダヲさんが突然刀を持ち、殺陣を披露し始めたときには「いや、どんな展開?」「新感線といえば殺陣だけども!」と心の中でツッコんでしまいました。

 

なんでもアリなんだな、と。この正解でも間違いでもない、訳の分からないものを観ているときの予測できない感じが大好きなんですよね。

 

個人的に、西野七瀬さんの声のお芝居がとても好きになりました。踊ったり叫んだり、ベテラン組に交じって非常に大変だったかと思いますが、更にいろいろな舞台作品に出演してほしいと思いました。

 

ドラマや映画では見ることのできない、演劇空間だからこそ表現できる突拍子もないストーリーや演者のはじけっぷりは、ここ最近観劇した中でもダントツでした。さすが劇団☆新感線作品です。

 

【公演情報】

 

2021年劇団☆新感線41周年春興行 Yellow ⚡新感線『月影花之丞大逆転』

 

作:中島かずき
演出:いのうえひでのり

 

出演:古田新太 阿部サダヲ浜中文一 西野七瀬
河野まさと 村木よし子 山本カナコ 中谷さとみ 保坂エマ 村木仁/木野花

 

東京公演:2021年2月26日(金)~4月4日(日) 東京建物 Brillia HALL

大阪公演:2021年4月14日(水)~5月10日(月) オリックス劇場

 

観劇日:2021年3月27日(土)17:30公演
 

舞台『未来記の番人』を観劇した感想(ネタバレあり)

第62回目のレビューは、新橋演舞場にて上演中の舞台「未来記の番人」です。

 

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本作は築山桂先生原作の「未来記の番人」を舞台化した作品で、聖徳太子が残した予言の書を巡る争いを描いた作品です。

 

劇中には"異能"と呼ばれる、普通の人には備わっていない能力を持ち合わせている人間が数多く登場し、聖徳太子予言の書「未来記」を巡る攻防に突入していきます。

その争いの中で、主人公の千里丸が自分が今すべきこと、自分の生きる理由について初めて自身に問うのです。

 

 

殺陣あり、ダンスあり、めまぐるしく展開する物語に最後まで目が離せませんでした。

 

 

異能を持つ主人公・千里丸

 

 

主人公は千里先も見えるという"千里眼"という異能を持つ千里丸。

A.B.C-Z戸塚祥太さんが演じられています。

戸塚さんは毎年主演の舞台をされており、昨年も舞台『阿呆浪士』という作品で主演されていました。

 

www.kakimasu-review.com

 

『阿呆浪士』では武士(というか本当は魚屋だったんだけど、ひょんなことから赤穂浪士として討ち入りに参加させられる)を演じられていましたが、今回もまた武士、ではなく忍者です。

 

原作では19歳設定の千里丸ですが戸塚さんは30代。

でも全然違和感ないんですよね。ここまで違和感ないのかってくらい違和感なくて驚きました。

舞台上で千里丸はずーっと喋ってるし踊ってるし走ってるし悩んでるし怒ってます。とにかく舞台上でひたすらに忙しい。10代だからこその未熟さや幼さが垣間見えるキャラクターです。

 

話が進んでいくにつれて、千里丸がこの「未来記」を巡る争いの中で様々なことを学び経験し、悩み叫び苦しみながら成長していくのです。

 

そんな未熟さのある、でも芯の通っている千里丸を戸塚さんが全身全霊で演じられていました。

『阿呆浪士』を観劇した際も感じましたが、戸塚さんの声の張り方、ここだというときがとにかく上手い。どう上手いのか、実際聞いてくださいとしか言えないのがもどかしい。

感情が目に見えるかのように伝わってくるんです。千里丸が何を考えてその言葉を言っているのかが声の出し方から伝わってくる。

 

千里丸が持つ、不器用さや真面目さやユーモラスさがそれぞれ濃く出るシーンは異なっていて、その場面ごとに感情をころころと変えていく必要のあるキャラクターなんですが、戸塚さんはとにかく上手い。

憑依型の役者さんだなぁと観劇するたび思うのですが、今回も表情・仕草、細かい部分まで千里丸そのものでした。

俳優・戸塚祥太の才能は恐ろしいです。

 

 

原作と舞台脚本のちがい

 

原作を読んでから観劇したので、自分自身の想像と異なるシーンも多々あり、「あっここのシーンが違う」「あの登場人物は出ないんだ」など、異なる部分を探すのが非常に面白く興味深かったです。

 

原作では四天王寺で白鷹が登場しますが、劇中では雷に代わっており、異能を持つ者として登場する巽の異能が「人を遠くに飛ばす異能」から「人の動きを封じ込める異能」へと代わっていました。

 

舞台上で表現するにあたり変更したのかと思いますが、自分の予想を上回る展開に「そうきたか!」とわくわくしながら観劇していました。

 

 あの分厚くて500頁もある本を2時間の舞台にまとめ上げる凄さ。

そして、ダンス要素や、懐メロや洋楽など、一見すると時代劇とはミスマッチな踊りや音楽を取り込むことで現代劇的な要素も加えているように感じ、新たな舞台表現だと思いました。

 

また、本格的な殺陣のシーンも満載で、かつ、ダンス要素を含めた殺陣もあり、視覚的にも面白い印象を受けた作品でした。

 

 

【公演情報】 

 

未来記の番人

 

原作:築山桂「未来記の番人」

 

出演:戸塚祥太惣田紗莉渚松田悟志、富岡健翔、山本健翔、大川良太郎、笠原章、勝野洋渋谷天外・・・etc

 

 

東京公演:2021年3月12日(金)~3月21日(日) 新橋演舞場

愛知公演:2021年3月27日(土)          日本特殊陶業市民会館

福岡公演:2021年3月30日(火)          久留米シティプラザ

大阪公演:2021年4月3日(土)~4月11日(日)  大阪松竹座

 

 

観劇日:2021年3月18日(木)17:00公演

    2021年3月20日(土)16:00公演

 

 

舞台『Oslo(オスロ)』を観劇した感想(ネタバレあり)

第61回目のレビューは、新国立劇場にて上演中の舞台「Oslo(オスロ)」です。

 

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V6坂本昌行さん主演の本作は、国同士の駆け引きや人間のエネルギーに満ち溢れる、パワフルな作品でした。

 

 

敵国同士の極秘交渉

 

 

1990年頃、イスラエルパレスチナは過去から長きにわたって緊張関係にあり、いまもなお紛争も絶えない状況であった。その状況を目の当たりにした坂本さん演じるノルウェー社会学者ラーシェンは両国へ和平をもたらすことを決意し、妻でありノルウェー外務省職員であるモナとともに様々な人たちの協力を得ながら両国の交渉を進めていく.....

という物語です。

 

観客全員がすぐ理解するには非常に難しいテーマであり、多くの専門用語が飛び交うため、事前予習が必要だと痛感しました。もしくは「高校生のときに世界史もう少し頑張っておけばよかった・・・」。

 

冒頭から状況がつかめずとっつきにくい印象でしたが、物語が進むにつれて、冒頭が伏線になっていることに気づきます。

物語のはじめは交渉が順調に進んでいないように見受けられるのですが、それもまた伏線。物語が進むにつれて、坂本さん演じるラーシェンと安蘭けいさん演じる妻モナの交渉を円滑に進めるための作戦であることが分かり始めるのです。

 

 

ラーシェンの覚悟とモナの支え

 

 

ラーシェンは極秘交渉を円滑に進めるため、そして各国の了解を得るためにとにかく奔走します。時には矢面に立って両国からの不満や批判を浴びたり、一方で自分だけでは対処しきれずモナに助けを求めることも。それでもこの交渉を必ず成立させるという強い意志が、作品全体を通して常に伝わってくるのです。

坂本さんの紳士的かつ可愛らしいイメージが、時に強く、時にか弱く見えるラーシェンというキャラクターをさらに魅力的に見せていたと思います。

 

そんなラーシェンを常に支え、同じ理想をめざしともに奔走するのが妻のモナ。そのモナを演じたのは安蘭けいさんです。

強くたくましく、一方で女性ならではの柔軟さも併せ持つ彼女の存在は交渉を進めるにあたっては必要不可欠。安蘭さんが演じてくださったことで、モナという存在がこの交渉下においていかに必要かということに説得力がありました。

 

1人二役

 

本作では、主要キャラクターを演じている相島一之さん、河合郁人さんらが二役を演じていることに驚きました。

特に河合さんは両者の登場シーンが近い場面があり、早着替えとなるシーンも多々ありました。熱血で笑顔なしの外務省職員と個性的で陽気なキャラクターである研究員という似ても似つかぬ二役を演じ、全く異なるキャラクターだからこそ演じ分けも素晴らしく、場面展開と同時に、十数秒後には別のキャラクターとしてステージ上に現れるのは視覚的にも面白い演出でした。

 

 

映像を使った演出

 

ステージ上には一面に大きな壁が設置され、物語が進むにつれて、壁にプロジェクションマッピングで紛争の映像が映し出されます。

壁が大きなスクリーンとなり、イスラエルパレスチナの当時の状況を観客に伝えます。実際の映像が流れることで悲惨な状況が伝わり、よりリアリティかつ緊張感のある交渉の瞬間をその場で実際に体験しているかのようでした。

 

 

【公演情報】

 

Oslo(オスロ

 

作:J・T・ロジャース

 

演出:上村聡史

 

出演者:坂本昌行安蘭けい福士誠治河合郁人横田栄司石田圭祐那須佐代子、石橋徹郎、佐川和正、チョウ・ヨンホ、駒井健介、吉野実紗、相島一之、増岡徹

 

 

東京公演:2021年2月6日(土)~2月23日(火・祝)

宮城公演:2021年2月27日(土)~2月28日(日)

兵庫公演:2021年3月3日(水)~3月7日(日)

福岡公演:2021年3月13日(土)~3月14日(日)

愛知公演:2021年3月20日(土)~3月21日(日)

 

 

観劇日:2021年2月11日(木・祝)13:00公演