『書きます!#観劇レビュー』

鑑賞した舞台のレビューをただただ書き残していきます!

舞台『中村仲蔵~歌舞伎王国 下剋上異聞~』を観劇した感想(ネタばれあり)

今回のレビューは、舞台「中村仲蔵~歌舞伎王国 下剋上異聞~」です。


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藤原竜也さん主演、演出が蓬莱竜太さんということで、面白いに決まってる!

ということで観劇しましたが、やはり期待を裏切らない迫力。心臓に直接響いてくるような芝居が心地よかったです。

 

本作は、歌舞伎の血縁ではない中村仲蔵が、厳しい歌舞伎の世界でもがき、努力と才能と不屈の精神力で上へと登っていく痛快物語。

歌舞伎の血縁ではない時点で立場が恵まれていない仲蔵が、何度も理不尽な目にあいながら、時には心が折れてしまっても、雑草魂のようなその根性と天性の才能で上を目指していく姿は心打たれます。

にしても、物語の前半はあまりにも仲蔵が不憫...。見ていて辛い...しんどかった。

先輩役者に歯向かえず犯され、また、理不尽な理由から同部屋役者たちに袋叩きに遭い、身も心もぼろぼろに。手を縛られた状態で舞台を引きずりまわされて、単純に藤原竜也がしんどすぎる...これ毎公演やってるんですよね...体力えぐ...っていうバカみたいな感想しか出てこないんだけど、とにかく痛々しい。

 

とうとう心が折れて、最悪の選択をしてしまうんだけど、奇跡的に命を拾われる仲蔵。これもまた彼の運命というか宿命というか、神様は簡単には死なせてくれない。

ただ、過去の経験を通して、彼は自分の中に眠る才能に気づき始めていて、歌舞伎の世界でトップを取るという前代未聞の夢を掴み取ろうと奮起するのでした。

 

2幕では、中村仲蔵が歌舞伎の演目のひとつである「外郎売り」を披露。連続した早口言葉をものすごいスピードでしゃべり続ける姿は圧巻としか言いようがありません。

広い舞台に一人、観客全員が舞台に立つ仲蔵に注目している痺れる空間の中で、観客を圧倒する藤原竜也。その姿がめちゃくちゃかっこよくて、孤独に闘う仲蔵と重なるなぁと思いました。

舞台上は輝かしいけど想像以上に孤独で、結局は自分自身を信じるしかないような空間。役者というのはこちら側からは想像もできないほどしんどい仕事だと思わされるシーンでした。

 

私自身が中学生のときに、滑舌の練習で外郎売りを練習していた時期がありまして、一瞬その時期を思い出して懐かしくなったのと、やっぱり外郎売りマスターできたらむちゃくちゃかっこいいな...という安直な気持ちが芽生えたので、また練習したいと思ったのでした。(どこに披露するわけでもなく完全に自己満足のため)

 

仲蔵の先輩役者、初代市川八百蔵と仲蔵の危機を何度か救うことになる武士、酒井新左衛門の二役を演じるのは市原隼人さん。

とにかく体格が良いのと強面なので迫力がとんでもなかったです。横に並ぶと藤原竜也が小さく見えるので、それがまた仲蔵の不憫さを演出しているし、やっぱり仲蔵は努力の人なんだ、というのを表現しているようでした。

 

そしてやっぱり凄かったのは池田成志さん。

2幕後半、仲蔵の一番の見せ所を披露する直前、これから披露する作品のあらすじを紹介してくれる狂言回し?ストーリーテラーをしてくださるのですが、聞きやすいし面白いし、安心感のあるお喋りでした。池田さんの話し方、ずっと聞いてられる心地よさがあります。

 

 

演出もとても素晴らしかったんですよね。

3階構造になっている部屋がステージの背景として登場。上中下で物語が進んでいく場面もありました。同時に進みながらも物事が絡んでいく様子が視覚的にも面白かったです。がっつりとしたセットを立てているわけではなく、場面に応じてセットを移動させることができるので、とてもシンプルで奥行きの感じられる演出でした。

伴奏音楽も個人的にとても好きで、叙情的な雰囲気の楽曲は仲蔵の不遇さを表していて胸が締め付けられるのですが、作品にぐっと引き込む力がありました。

 

前半は苦しいシーンが多いのですが、コメディー要素もあって笑えるシーンも多く、その塩梅は演劇ならではだなと思いました。

最後には痛快であっぱれな気持ちになります。やっぱり藤原竜也はパワフルで最高!

 

【公演情報】

 

Sky presents  舞台「中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~」

 

脚本:源 孝志
演出:蓬莱竜太
 
出演:
藤原竜也、市原隼人、浅香航大
尾上紫、廣田高志、植本純米、古河耕史、深澤 嵐、斉藤莉生、今井朋彦
池田成志、髙嶋政宏 ほか

 

日程

東京公演:2024年2月6日(火)~2月25日(日) 東京建物Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)

広島公演:2024年2月29日(木)~3月1日(金) 広島文化学園HBGホール

名古屋公演:2024年3月7日(木)~3月10日(日)  御園座

宮城公演:2024年3月15日(金)~3月17日(日) 東京エレクトロンホール宮城

福岡公演:2024年3月22日(金)~3月24日(日) キャナルシティ劇場

大阪公演:2024年3月27日(水)~3月31日(日) SkyシアターMBS

 

観劇日:2024年2月12日(月・祝) 17:30公演