今回のレビューは、ミュージカル「ダブル・トラブル」です。
2021年に日本初演を迎え、様々なチームで何度も再演されている本作。
再演を重ね、2022年の夏に2度目、そして今回で3度目の上演となります。
出演者は2人、しかし登場人物は10人!という驚きのミュージカル作品。
それぞれが何役もこなし、ステージを出たり入ったり、見てるだけで大変そうですが、舞台ならではの演出が存分に盛り込まれてて非常に楽しい作品でした。
作詞家&作曲家のマーティン兄弟
この物語の主人公は、ジミー・マーティンとボビー・マーティンという一組の兄弟。浜中文一さん演じる兄のジミーは作曲家、室龍太さん演じる弟のマーティンは作詞家。ブロードウェイで活動する彼らは、曲を気に入られて夢のハリウッドへ進出することに。
そんな彼らがハリウッドの引っ越し先に来たところから物語はスタートします。
いよいよブレイクのチャンスだと意気込んでいる2人でしたが、彼らを取り巻く個性的な登場人物が次々と登場し、問題が多発。2人は解散の危機にまで!
物語が進むにつれて大混乱が巻き起こり、最後までスピード感あふれる作品でした。
兄のジミーを演じるのは浜中文一さん。
本作には2度目の出演となり、前回は弟役。今回は兄として、室さんと息の合った掛け合いをしています。
歌の場面がたくさんありますが、めちゃくちゃ歌がうまくて驚きました・・・!
弟のボビーを演じるのは室龍太さん。
毎年何本もの主演舞台に出演しており、昨年主演された「コムサ de MANZAI!」もコメディ全開で、非常に面白かったです。
浜中さんも室さんもコメディがとてもうまく、アドリブも随所に盛り込んでとにかく二人が楽しそうでした。そんな2人を見ている客席からも笑い声が絶えず、最後まで劇場全体がアットホームな雰囲気だったなぁと感じました。
アメリカンジョークやタップダンスなど、THEアメリカ!といった要素が沢山盛り込まれ、いい意味で日本っぽさが全くない演出もとても良かったです。
ひとりで5役!
二人の役者はそれぞれ5役ずつを演じるのですが、男性はもちろん、おふたりとも女性も演じます。全員大クセなので、次はどんなキャラが出てくるんだろうと期待に胸が膨らみました。
かなりの早変わりで別キャラで舞台を出たり入ったりの2人ですが、ジミーやボビーの録音された声を流して隣の部屋にいるように見せたり、彼らの影(分身)を演じる演者もいたりして、現実では無理ですが、ストーリー上は同じ空間に存在しているように見せる演出が施されていて、とても心躍りました。
二人の掛け合いが非常に大切で、さらには、それぞれの個性やキャラクターも作品を左右する大事な要素なので、いろんな役者さんの組み合わせで上演してほしいなぁと思いました。
今回も3チームが交代で出演しているので、また再演される際には様々な役者さんの組み合わせで何度も観たい!また再演期待しています!
【公演情報】
ミュージカル「ダブル・トラブル」
翻訳・訳詞:高橋亜子
演出:ウォーリー木下
出演:
TeamD 浜中文一&室龍太
TeamE 上田耕平&水田航生
TeamF 越岡裕貴(ふぉ~ゆ~)&松崎祐介(ふぉ~ゆ~)
公演日程:
TeamD
2022年12月12日(月)~2023年1月23日(土) 自由劇場
2023年1月26日(木)~1月29日(日) 新国立劇場小劇場
TeamE
2022年12月23日(金)~2023年1月22日(日) 自由劇場
TeamF
2023年2月2日(木)~2月19日(日) 新国立劇場小劇場
観劇日:2023年1月15日(日)12:30公演