今回のレビューは、ミュージカル「ボニー&クライド」です。
今まで観劇したニュージカルの中でもかなり大好きな作品となりました!最高!!!
役者の皆さんが命を吹き込んだキャラクターがとにかく生き生きとしていて、フランク・ワイルドホーン作の素晴らしい楽曲とともに、クライドとボニーの”愛と若さの逃亡劇”が心地よいスピード感で展開していき、全体を包む疾走感とエネルギーがダイレクトに伝わってきて、パワフルな作品でした。
クライドとボニーはダブルキャストでしたが、私はクライドを柿澤勇人さん、ボニーを海乃美月さんの回を観劇。
強盗や殺人を繰り返し、後世にその名が知られることとなるクライド。そんなクライドを演じる柿澤さんのお芝居が個人的にとても最高でした!
セリフをなぞっている感じがしないんですよね。クライドがその場で思いついた言葉を発しているようなリアリティさを帯びていて、”クライドは次一体何を話すのか。どう動くのか。”という高揚感を常に感じながら観劇していました。
かつ、色気もあり、少年ぽさもあり、狂気性も併せ持つクライドがあまりに似合いすぎていて、「え、当て書き…?」と思ってしまうくらい柿澤さんにハマり役でした。
女優になる夢を持ちながらもクライドと運命的に出会い危険な恋に落ちるボニーは海乃美月さん。昨年まで宝塚月組でトップ娘役として数々の作品に出演されていた実力者です。
宝塚時代から何度か観劇させてもらっていましたが、海乃さんは綺麗でかっこいいお姉さん役がとても似合う方なので、ボニーは本当にぴったりな役柄だと思いました。高音の綺麗な裏声に加えて、宝塚時代にはあまり聴く機会がなかった地声で力強い歌声も披露され、愛嬌がありつつも、時にはクライドを支える強い女性を演じられていて、海乃さんがボニーを演じてくれて本当に良かった…!
クライドの兄バックを演じるのは小西遼生さん。
アドリブを入れたりと、とてもお茶目な方なんだろうな~というのが伝わってきて、客席の笑いを誘っていました。コミカルな芝居も上手で、作中に登場するクライドとの兄弟ソングがとても楽しそう。二人で和気あいあいとステージ上を縦横無尽に歌って踊って大好きなシーンです。
バックの妻ブランチは有沙瞳さん。安定感ある歌声でとにかく素晴らしかったです。
可愛らしく、かつ、作品全体のクオリティをあげる伸びやかで美しい歌声で、耳心地が本当に良いです。今後もたくさんのミュージカルに出演してほしいと思っておりますし、また出演作品を観劇したいな~と思いました。
ワイルドホーン作曲の素晴らしい楽曲の数々が作品の大きな魅力ですが、疾走感ある演出も加わって、クライドとボニーの短いけれど痛快で愛に満ちた生き様が描かれていました。
【公演情報】
ミュージカル「ボニー&クライド」
脚本:アイヴァン・メンチェル
歌詞:ドン・ブラック
音楽:フランク・ワイルドホーン
上演台本・演出:瀬戸山美咲
訳詞:高橋知伽江
出演:
クライド・バロウ(Wキャスト):柿澤勇人/矢崎広
ボニー・パーカー(Wキャスト):桜井玲香/海乃美月
バック:小西遼生
ブランチ:有沙瞳
テッド(Wキャスト):吉田広大/太田将熙
エマ:霧矢大夢
シュミット保安官:鶴見辰吾
石原慎一、彩橋みゆ、池田航汰、神山彬子、齋藤信吾、社家あや乃、焙煎功一、広田勇二、三岳慎之助、安田カナ、鈴木満梨奈
日程
東京公演:2025年3月10日(月)~4月17日(木) シアタークリエ
大阪公演:2025年4月25日(金)~4月30日(水) 森ノ宮ピロティホール
福岡公演:2025年5月4日(日・祝)・5日(月・祝) 博多座
愛知公演:2025年5月10日(土)・11日(日) 東海市芸術劇場大ホール
観劇日:2025年4月14日(月)13:00公演