『書きます!#観劇レビュー』

鑑賞した舞台のレビューをただただ書き残していきます!

小劇団シリーズ⑦ S×SS企画『TWO-handers』を観劇した感想

小劇団シリーズとして書いておりますが、劇団ではないのかもしれません。

S×SS企画『TWO-handers』という面白い企画を観劇してきました。

 

居酒屋のスペースを一部貸し切って上演するという本作。

普通の居酒屋に入ると小さな宴会場のようなスペースに案内されたのですが、ここがステージになるとは想像もできませんでした。ただ、いざ上演されるとステージと客席に変わったのが驚きでした。

 

客席も20席ほどしかなく、小さな部屋だからこそ演者も観客も同じ空間を共有しているという意識を強く感じました。

 

10~15分ほどの短編作品を3本上演するというのも新鮮で、それぞれ登場人物が2人のため個人的に非常に見やすく、また、それぞれが全く別ジャンルのストーリーなので、3度おいしい気持ちになった感覚でした。

 

そもそもあの距離感で役者の演技を観る機会も少なく、いろいろと初めて尽くしな観劇体験となりました。

 

短編作品はどれも人間模様が素敵でした。

 

 

【公演情報】

 

S×SS企画『TWO-handers』

 

企画:S×SS

作・構成・演出:田中精

制作:渡井瑠那

票券:森紀代香

制作助手:山本柚香

主催・製作:ジェイズプロデュース

 

出演者:田中精、師富永奈、志垣燈、上玉利澄斗、山本柚香、渡井瑠那

 

ゲスト:椎名亜音(劇団6番シード)、中川ミコ(遅咲会)、沢田美佳(流星レトリック/ココジャパン)、藤吉みわ(劇団ズッキュン娘)

 

日程:2021年10月7日(木)・14日(木)・21日(木)・28日(木) 酒洛 高田馬場「スペースSHARA」

 

 

作品紹介:

「Border」

女が、不安に駆られて不意に立ち止まる。

そこに突然現れる男が一人。

「何が見える?」

彼の問いかけは、彼女がなぜそこにやってきて何故止まったのか、という事を明らかにしていく。

「お前が足を止めた事、それこそが境界線なのだ」

次々投げかけられる言葉に、彼女が出した結論とは・・・?

 

「shelter from the rain」

雨の中、歩いている。

この先に待っている事を想像し、意味もなく傘をたたみ、雨宿りをしていると、走り駆け込んでくるもう一人。

「参ったなあ、こんな時に雨が降るなんて聞いてないよ!」

独り言を言いながら、偶然居合わせた二人は少しずつ言葉を交わしていく。

「いまから、好きな人に告白をしに行こうと思っているんです」

雨が、全く逆の未来に向かう二人を、同じ場所に居合わせているのであった。

 

「nineminutes」

妻の七回忌に、かつて妻とよく来ていた店に来た祐二。

そこで一人でお酒を飲んでいる最中にうたた寝をしてしまう。

そこに現れる妻・亜弥。

驚いている祐二に亜弥は、二人結婚をしていた年数一年につき一分の時間を貰えたと伝え、九分間の再開の時間を過ごすことになる。

 

 

観劇日:2021年10月14日(木)20:00公演