『書きます!#観劇レビュー』

鑑賞した舞台のレビューをただただ書き残していきます!

舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』を観劇した感想(ネタバレなし)

今回のレビューは、舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」です。

 
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とにかくこれだけ言わせてください。

最高うううううううぅぅぅぅぅぅううううう!!!!!!!!!!!!(発狂)

あまりのクオリティに、観劇したその日は興奮で朝4時まで寝れませんでした。

 

今回は一切ネタバレしません!

というか、言葉では表現できない事が起こりまくるので、実際に見てください!としか言えません。

 

これまで100本以上観劇しておりますが、ステージ上での表現は群を抜いています。

3時間40分と長尺ですが、そう思わせない圧倒的な面白さ。目の前で起こること全てが驚きで、11秒が面白い。目が離せない。瞬きすらしたくない。

そんなことまで生の空間で表現することができるのか、と度肝を抜かれます。

 

そもそも私は重度のハリー・ポッターオタク(通称ポッタリアン)なので、ハリー・ポッターと呪いの子が上演すると決まった際、ロンドンまで観に行こうとしていました。なので、日本で上演になるなんて夢のまた夢・・・。シナリオ本も何度も読みました。発売日当日に本屋に行って、寝ずに1日で読み切って本を抱きしめた、懐かしい記憶が蘇ってきます。

 

とにかく脚本そのものがまず秀逸です。

本編のストーリーをまるまる伏線として、新たな世界線を作り上げる上手さ。

初めて読んだとき、ストーリーが圧巻すぎて唸ることしかできませんでした・・・。

そして読み終わったあとに思ったのが、舞台化することの難しさ。「やりたいことは分かるけど、これをどうやって舞台上で?」と、このストーリーを舞台で、生で、どう表現するの?と純粋に疑問で、あまりにも壮大で複雑な構造になっています。

 

ただ、その疑問を吹っ飛ばしてくれたんです。目の前にはこの本の世界が広がっていました。

 

人が浮く、

人が現れる、

人が消える、

目の前で変身する、

 

これらが実際に目の前で繰り広げられ、もはやイリュージョンショーのよう。

生身の人間と装置が、現実では不可能なシーンを可能にしています。

 

今の時代、プロジェクションマッピングや映像を駆使して魔法の世界を表現することも可能なのに、あえてアナログに表現していきます。

大きな暗転もないのに気づいたらシーンが変わっていて、いなかったはずの人がいるのです。

役者さんの凄さはもちろんのこと、照明、衣装、音響、装置、すべてが緻密に計算されていて、本当にわくわくしました。

 

実際に目の前で偽りなく、現実ではあり得ないことが起こる面白さ。演劇的手法がふんだんに盛り込まれていて、めまぐるしい3時間40分です。

 

日本での上演が決定した際、日本人がハリー・ポッターのキャラクターを演じることに多少抵抗感がありました。ほかの作品もそうですが、日本人が海外のキャラクターを演じると違和感が拭えないので、作品の世界観に没入できないのではないかと。

 

ですが、そんな心配もすぐ吹き飛んでいきました・・・!ステキな衣装や美術、照明、音楽が世界観を補填し、なによりも演者さんの台詞の言い方に感動しました。

 

そもそも翻訳された台詞が日本語の言い回しとは異なっている箇所もあり、洋画の吹き替えのような台詞回しに感じます。そして、役者さんから発せられる台詞の抑揚の付け方も映画のよう。さらには、キャラクターの吹き替えに近い声色・口調にしていたりと、「あのキャラクターそのままじゃん!」なんて驚きもありました。だからこそ、日本人っぽさをあまり感じず、それぞれのキャラクターに近い状態で作品を楽しめたのかもしれません。

 

今回観劇した回は、藤原竜也さんがハリー・ポッターを演じていました。熱さみなぎるハリーでしたが、ちゃんとハリーとして存在してくれていて、ハリー・ポッター好きとしては・・・・もう・・・違和感が全くなくて感動しました(涙)

 

もともと2部制で計6時間の作品を1部制3時間40分に短縮して上演しているので、ものすごいスピードで展開していきます。

 

かなり早いテンポなので、なかなかその俳優らしさを出すのも難しいと思いましたが、そもそも舞台においてかなりの経験をされている藤原さん。舞台上での存在感や声の出し方が、しっかりと藤原さん自身のキャラクターを生かしつつ、ハリー・ポッターの世界観と融合していました。

個人的に藤原さんの声の出し方好きなんですよね。台詞が一字一句しっかりと聞き取れるので客席を置いていかないですし、大人、そして親になったハリーの苦悩も表現しなければならない難しさのなか、心情がしっかり伝わってきます。

 

とあるシーンで、涙をぼろぼろ流されていて、ここまでハリーとして生きてくれるとは・・・。胸にガツンと響いてくるシーンでした。

 

そして、とにかく素晴らしかったのが、ハリーの息子であるアルバス・ポッターを演じた福山康平さんと、マルフォイの息子であるスコーピウス・マルフォイを演じた斉藤莉生さん。

「ハリー・ポッターと呪いの子」はハリーの物語というよりは、アルバスとスコーピウスの冒険物語だと思っているのですが、とにかくこの2人がキャラクターそのものとして存在してくれて、かなり感動しました。

この二人は作中ほぼ出ずっぱりですし、他のキャラクターより体力的に大変なシーンも多いなかで、ときに可愛らしく、ときに勇敢なアルバスとスコーピウスを大胆かつ繊細な演技で表現してくれていて感嘆のため息が出てしまいました。

 

これから観に行かれる方へ。

可能であれば呪いの子のシナリオ本を一読してから足を運んでいただけると非常に良いと思います。

 

「みんな知ってるっしょ?」のテンションで、冒頭からトップスピードで展開していきますので、キャラクターや設定の説明は全くありません。

シナリオ本は文庫でも出ていますし、小説とは違って舞台の台本のような作りなので非常に読みやすく、4時間あれば読めます!前日に読んでも間に合います・・・!

そして、さらにお時間があるのであれば、映画「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」を観てから観劇していただけると、かなりストーリーが分かると思います!

もっとお時間が確保できる方は、賢者の石から死の秘宝まですべて観ていただくに越したことはないです。笑

 

とにかく知識0ベースですと、演出を楽しむといった楽しみ方になるかと思います。

 

無期限ロングラン公演ということでスタートしておりますが、来年5月までの上演が現時点で決定しています。

(なお、藤原さんは9月末までの出演なので、藤原ポッターを観たい方はお気をつけください)

 

まだ観ていない方が本当に羨ましいです。

あの作品に初めて触れることができる権利を持っているんですから。

私もこの記憶を消して初めて触れたときのあの興奮をもう一度味わいたい・・・!初めて観るあの興奮を味わうことができる権利を持っているなら、絶対に観劇してほしいです。

 

何度もあの世界に触れたいですし、石丸ポッターと向井ポッターも、そしてその他ダブルキャストの皆さんの芝居も観に行きたいので、日本で上演されている間は定期的に赤坂ACTシアターへ足を運ぼうと思います。

 

とにかく!本日、本公演開幕おめでとうございます!

 

 

【公演情報】

 

 

舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」

 

オリジナル・ストーリー:J.K.ローリング

脚本・オリジナル・ストーリー:ジャック・ソーン

演出・オリジナル・ストーリー:ジョン・ティファニー

 

 

出演:

ハリー・ポッター:藤原竜也、石丸幹二、向井理

ハーマイオニー・グレンジャー:中別府葵、早霧せいな

ロン・ウィーズリー:エハラマサヒロ、堅山隼太

ドラコ・マルフォイ:松田慎也、宮尾俊太郎

ジニー・ポッター:馬渕英里何、白羽ゆり

アルバス・ポッター:藤田悠、福山康平

スコーピウス・マルフォイ:門田宗大、斉藤莉生

嘆きのマートル:美山加恋

ローズ・グレンジャー・ウィーズリー:橋本菜摘

デルフィー:宝意紗友莉、岩田華怜

組み分け帽子:木場允視

エイモス・ディゴリー:福井貴一

マクゴナガル校長:榊原郁恵、高橋ひとみ

 

安藤美桜、安楽信顕、千葉一麿、半澤友美、川辺邦弘、小松季輝、前東美菜子、みさほ、扇けい、尾尻征大、岡部雄馬、織詠、大竹尚、大内慶子、佐竹桃華、佐藤雄大、篠原正志、鈴木翔吾、田口遼、田中彩乃、手打隆盛、上野聖太、渡邉聖斗、薬丸夏子、横山千穂

 

声の出演:吉田鋼太郎

 

公演日:

2022616日(木)~77日(木)プレビュー公演

202278日(金)~930日(金) 第1

2022101日(土)~1230日(金) 第2

202314日(水)~531日(水) 第3

 

会場:赤坂ACTシアター

 

観劇日:2022623日(木)、76日(水) ※プレビュー公演