今回のレビューは、ミュージカル「SPY×FAMILY」です。
3月に東京・帝国劇場での公演を皮切りに、兵庫、福岡で上演する本作。
アニメの雰囲気そのままに、名シーンを凝縮した3時間!アニメから飛び出してきたかのようなキャラクターたちの完成度。主人公のロイドを始め、各キャラクターたちが目の前で実際に生きているような再現度でした。
生オケでの演奏も重厚感があり、しっかりミュージカルとして成立していて、アニメ原作の舞台化ですが、2.5次元とは一線を画しているなと感じました。
私が観劇した回はロイド役を森崎ウィンさん、ヨルを唯月ふうかさん、アーニャを井澤美遥さんが演じられておりましたが、みなさん声がアニメそのまま。衣装と声がアニメそのままなのでもうアニメ見てるようでした(?)
アーニャ役の井澤美遥さんは6歳とのことですが、ダンスはもちろん歌もめちゃくちゃ上手でした。音程も外さずしっかりと歌い上げ、堂々としたパフォーマンスを披露してくれました。あの大きなステージの真ん中に立った時には、あまりにも小さすぎてサイズ感に若干混乱しましたが(笑)、アーニャそのもののサイズ感でとにかく可愛らしかったです。
アニメに忠実な美術セット
全体を通して舞台セットが非常に圧巻で、個人的に心躍るポイントでした。
アニメ1期、そして2期のストーリーまでも盛り込まれていたので、場面転換がかなり多いストーリーでした。街中や家、学校など雰囲気が大きく変わる必要のあるシーンだらけなのですが、それらを的確に表現する、かなり趣向を凝らした舞台セットの数々でした。
シンプルな構造に見えましたが、舞台上には3つの盆があり、それぞれが回転することで印象的に場面を変え、かつ、背景をシーンごとに変えることで一瞬で別シーンへ繋げていて視覚的に面白かったです。また、背景などがアニメタッチに描かれていて、よりアニメに寄せているなぁと感じました。
また、生オケの演奏も切れることなく続いていったのが印象的で、全てのシーンが繋がって展開されるので、物語に没入できて非常に観やすかったです。
さらに、心理戦のシーンなどでは、舞台が止まることなく左右に揺れ続けている演出が取り入れられ、心情の揺らぎや抑揚を表現しているようで、これもまた観やすかったなぁ~。
アニメから飛び出してきたキャラクター達
そして本作の注目ポイントといえば、キャラクターへの再現度。
ロイドはストーリーの主人公であり、かつ物語のツッコミ役も担っていますが、アニメ同様、随所でツッコミが炸裂していてそのセリフの言い方が上手!ウィンさん最高でした!
ヨルさん役の唯月ふうかさんも、お声含め存在がヨルさんそのもので、殺し屋として登場するシーンや酔っぱらったシーンなんかアニメそのもの・・!全員がキャラクターとして存在してくれて感無量でした。
【公演情報】
ミュージカル『SPY×FAMILY』
原作:遠藤達哉(集英社「少年ジャンプ+」連載)
脚本・作詞・演出:G2
作曲・編曲・音楽監督:かみむら周平
出演:
ロイド(Wキャスト) 森崎ウィン、鈴木拡樹
ヨル(Wキャスト)唯月ふうか、佐々木美玲
アーニャ(クワトロキャスト)池村碧彩、井澤美遥、福地美晴、増田梨沙
ユーリ・ブライア(Wキャスト)岡宮来夢、瀧澤 翼
山口乃々華、木内健人、鈴木壮麻、朝夏まなと、楢木和也、新井海人、大津裕哉、小倉優佳、鎌田誠樹、栗山絵美、桑原 柊、柴田実奈、島田 彩丹宗立峰、堤 梨菜、般若愛実、深掘景介、福田えり、藤岡義樹湊 陽奈、宮野怜雄奈、元榮菜摘、山野靖博、ユーリック武蔵、LEI'OH
齋藤詠真 / 米本吉之介(Wキャスト)
大澤空翔 / 齋藤 潤(Wキャスト)
日程:
東京公演:2023年3月8日(水)初日 ~ 3月29日(水)帝国劇場
兵庫公演:2023年4月11日(火)~4月16日(日)兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホール
福岡公演:2023年5月3日(水・祝)~5月21日(日)博多座
観劇日:2023年3月28日(火)18:00公演