『書きます!#観劇レビュー』

20代の管理人が鑑賞した舞台のレビューを書き残していきます!

劇団遅咲会『Late for Halloween , Early for Christmas』を観劇した感想(ネタバレあり)

今回のレビューは、劇団遅咲会「Late for Halloween , Early for Christmas」です。



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女優の中川ミコさんが主宰の劇団、遅咲会。今回は第19回目公演ということで、過去にも何度か観劇したことがあるのですが、毎公演多種多様な作品を公演していて面白いです。

今作もコメディ要素多く、最後はメッセージ性のある素敵な終わり方でした。

 

もしもの世界が自分の理想だとしたら

 

今作はパラレルワールドを題材としていて、個人的にSF設定大好きなのでワクワクしました。

小説家になるという夢を諦め、理想とは程遠い彼氏と付き合って、現実を諦めている女性、神谷ヒカリ。友人たちとパーティーをしている最中、とあるきっかけでパラレルワールドへの扉が開き、迷い込んでしまう。

 

そこは自分の夢が叶っている理想の世界だった。

 

 

物語が進むにつれて、元の世界から登場人物たちが続々とパラレルワールドへと迷い込んでしまって大混乱。もう一人の自分が存在している世界ですが、舞台上で対峙することは物理的に無理。だけれど、舞台から見える空間以外でキャラクターが動いているように見えてきて、想像力を掻き立てながら観る楽しさがありました。

 

ほとんどの登場人物が一人二役を演じているので、Aというキャラクターで舞台上から捌けたと思ったら、もう一つのBというキャラクターですぐ出てきたりと、演じ分けが楽しいですし、視覚的にも面白い仕掛けでした。

 

パラレルワールドだということにいち早く気付いたヒカリと、あやかんぬさん演じるヒカリの友人・恵美香の2人が、二つの世界の間で振り回されている姿がなんとも可笑しく、元の世界に戻りたくないと必死でもがくヒカリの全力っぷりも清々しい!

皆さん全員コメディ上手いです。

 

後半になるにつれて舞台上が混乱していくストーリーのなか、どう物語を終わらせるのかという期待も膨らんでいく展開に。

 

最後には、パラレルワールドは理想の世界ではなく、自分自身の努力によって生み出された世界だということが分かり、結局は自分の力で夢は掴むものだというステキなメッセージで終わる良いストーリーだなぁと思いました。

 

 

【公演情報】

 

劇団遅咲会第19回公演「Late for Halloween , Early for Christmas」

 

脚本・演出:水谷 健吾

 

出演:あやかんぬ、稲村幸助、太田純平、菅野英樹、菊田貴子、白石大祐、戸川健次、中川ミコ、仲谷憲、藤野真梨亜、前田直紀、真僖裕梨

 

日程:

2022年11月9日(水)~11月13日(日) 劇場MOMO

 

 

観劇日:2022年11月11日(金)19:00公演